mirumom シムズ3

シムズ3での自作ポーズによるストーリー創作とプレイレビュー・ポーズ配布等

スポンサーサイト

Category: スポンサー広告  
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

21.吉凶

Category: ストーリー > アスモデウスの翼   Tagged: シムズ3ストーリー  
すっかり日課となった町の散策。
初冬の空気は澄んでいて肌に少し冷たく気持ちがいい。

1_20130527000826.jpg
町のあちこちを歩く事で、私自身がこの町でしっかりと自分の存在を認めてあげられるような気がしているのかもしれない。
『私がここに居る意味』を実感したいのかも。。。。。


2_20130527000828.jpg
『あ・・・また・・・・・』


3_20130527000829.jpg
『あの人・・・・・』
もう何度目になるだろう。あの人と遭遇するのは。
あまりの偶然に、なんだか可笑しくなってしまう。


4_20130527000830.jpg
今日は・・・絵ではなくカメラを手にして・・・?


5_20130527000831.jpg
「・・・。 ・・・あの・・・・・」
「・・・?」


6_20130527000912.jpg
「・・・なんだ、また君か。」
「こんにちは。またお会いしましたね。」


7_20130527000913.jpg
「また散歩か。君も余程の散歩好きらしいな。」
「ええ、すっかり町の散策が趣味のようになっています。秋の気候はとっても気持ちがいいですよね。



8_20130527000914.jpg
「あ、もしかしてあなたはカメラマンで・・」
「違う。」


9_20130527000915.jpg
「なんだ君は。絵を描いてれば絵描き、写真を撮っていればカメラマンなのか?ずいぶん短絡的だな。」
「あら・・・」


10_20130527000916.jpg
「すみません・・・。あたなの描く絵を拝見してから、 なんて言うか・・・その、アーティスティックな
 お仕事をされてる方なのかと勝手に思ってしまって・・・」
「アーティッスティック・・・芸術家か。創造性のある仕事・・・・・という事か。」
「ええ・・・そのなんとなく勝手に・・・。」


11_20130527000932.jpg
「つまり君も芸術に造詣が深いということか。何を専攻しているんだ?」
「いえ、そんな事では・・・ただ絵は昔少しやってた時期がありました。あたなの絵を描く姿を見て、
 私もまた描きたくなったというか・・・可笑しいでしょうか?」


12_20130527000933.jpg
「・・・そんな事はない。やりたい時が創造性の一番高まる時だ。描きたいと思ったならば描いてみれば
 いいと俺は思うよ。」
「そう・・・ですよね。ふふ、ありがとうございます。」


彼にそう言われて、やっぱりもう一度絵を描いてみようと思った。
今の私が筆を握ったら、一体どんな絵が描けるんだろう・・・
どんな自分を表現できるんだろう。なんだかそれすらも楽しみに思えてきた。


そういえば、彼の名前すら聞いていなかったと後から気付いた。




13_20130527000934.jpg
一人で何もする気が起きないので、俺は母さんの様子を伺いに実家へ足を運んだ。
母さんは子供のような人だから、一人で置いておくのはやっぱり心配なんだ。


14_20130527000935.jpg
「母さん帰ったよ・・・。ん?居ないのか?」
この時間に母さんが居ないなんて珍しいな。日の高いうちは家からあまり出ないんだが・・・


15_20130527000936.jpg
「相変わらずだらけた生活してるみたいだな。」
俺も母さんの事を言えるような事はしてないけど、母さんにはもう少しちゃんと暮らしてもらいたい。
俺がガキで何もしてやれなかった分、これからは少し母さんを支えてやりたいと最近の俺は考えるようになった。

・・・これもメロとグレンに出会ってからか?
あの二人だって地に足を付けて生きてんのかどうかなんて分からないけど、何故だろう。
あいつらと居ると、そんな気持ちにさせられる。


16_20130527000948.jpg
「・・・何かあったのかな?」
これまでそんな風に思った事なんて無かったのに、今日は何故だか引っ掛かる。


17_20130527000949.jpg
「まったくひでぇ有様だな。とりあえず、片付けでもしてやるか。俺は汚いのは嫌いなんだよ。」


18_20130527000950.jpg
「まったく・・・。可愛い息子が会いに来てやったっていうのにさ。」



結局夜まで待っても母さんは帰って来なかった。







20_20130527000951.jpg
「お疲れさーん」
「あらアニス、今日は大人めかしたヘアと服装してるじゃないぁい?これからおデートかしらぁ?
 あんたも・・・大概にしとかないとそのうち痛い目に合うわよ?」
「んもう~マスターはうっるさいなぁー!あたしは大丈夫なの!」


19_20130527000951.jpg
「ちょっとグレン、一杯ちょうだいよ。喉乾いちゃった。」
「お前な・・・片付けてんのが目に入らねえのかよ。今日は早出したから俺は疲れてんだよ・・・。」


21_20130527001006.jpg
「さっさと飲んで帰れよな。」
「サンキュー!グレン、やっぱ君は優しいよね~」
「はぁ?!」


22_20130527001007.jpg
「あたしは君のそういう優しい所が好きなんだな。ふふふ。」
「・・・何言ってんだお前。」


23_20130527001008.jpg
「お疲れ様です。」
「ああ、メロお疲れ様。久々に働いて疲れたんじゃなぁい?今日はゆっくり休みなさいよ?」
「ええ・・・大丈夫です。ありがとうございますマスター。」


24_20130527001009.jpg
「そういえばあんた、今日はあんたの自転車が停めてなかったようだけど何で来たのよ?」
「あ、最近お散歩するようになったので、今日はその足で歩いて来ちゃいました。」
「お散歩・・・ってあんたどんだけの距離歩いてんのよ?!」
「ふふ、大分足腰鍛えられましたよ。」

「・・・にしたって帰りも歩くの?夜道は危ないじゃない・・・しょうがないわね今日はアタシが・・」

25_20130527001010.jpg
「おいメロ、片付くまで待ってろ。一緒に帰ってやるよ。」
「え?・・ああはい、グレンさん。」


26_20130527001023.jpg
「やっぱやっさしいねぇ~グレン君は!」
「何言ってんだっての。同じ家に帰んだからついでだついで。」


27_20130527001023.jpg
「だから。そんな優しい所が好きなんだって。」
「・・・もうお前は黙ってろ。」






28_20130527001024.jpg
「じゃあ乗れよ。」
「は・・・い?」


29_20130527001025.jpg
「バ、バイクですか?!」
「他に何があんだよ。お前・・・まさか俺にこいつ押しながら一緒に歩けって言ってんのか?!」


30_20130527001026.jpg
「あ、でも歩くのって結構気持ちいいですよ?」
「お前・・・押してみっか?こいつ。」


31_20130527001050.jpg
「何だよ怖いのかよ?嫌なら無理には勧めねえけどな。乗らねえなら先帰るぜ。
 お前はタクシー使えばいい。歩くのは禁止な。」

「いえ・・・乗せていただきます。」

『歩くのは禁止』というグレンさんの言葉に、アニスさんの言うようにグレンさんの優しさを感じた。
だから、バイクに乗せてもらうのは初めてでちょっと怖かったんだけど・・・乗せてもらう事にした。


32_20130527001051.jpg
「ちゃんと捕まっとけよ。風が顔に当ると痛てえから俺の背中に隠れとけ。」
「は、はい!」






33_20130527215700.jpg
「お帰り。」
「おう。あー冷えたな!流石にもう単車で夜風はキツイな。おいジュール、夜食に何か温かいもん作ってくれよ!」
「あ、私が・・・」
「お前の飯はいい。」
「・・・はい?」

冷たい外の空気と共に流れ込んできた―


34_20130527215702.jpg
「ああ、いいよ。」

―グレンとメロの運んでくる暖かさのある空気。
俺はこの暖かさが好きだ。





翌日。
35_20130527215703.jpg
グレンとメロが仕事に出た後の時間、相変わらず”仕事”に出る気もしない俺は適当な昼飯を用意していた。
何もしなくても腹は減るもんだ。


36_20130527215704.jpg
そんな時、玄関ベルが鳴る。この家に訪問者? 一体誰だっていうんだ。
まさかまたメロのストーカー野郎じゃねえよな?こんな白昼堂々・・・


37_20130527215705.jpg
「はい、どちらさん・・・・・ ん?あんた・・」


38_20130527215721.jpg
「どうもー遊びに来たよー!入っていいかな?」
この女、グレンの・・・ アニスっていったか。

「・・・うん。いいよ。」


40_20130527215723.jpg
「俺昼飯なんだよね。あんたもどう?って言ってもこんなんだけど。」


39_20130527215723.jpg
「んー、お腹すいてないからあたしはいいや。お茶だけもらえるかい?」
「ああ、いいよ。」



41_20130527215724.jpg
「しっかしさぁー・・・きったない家だよね。よくこんな所で暮らせるね、君達。」
「そう? ところであんた今日仕事は?」
「今日は店でライブがあるからダンサーは休みなんだ。だから暇でねぇ。」
「そうか。」



42_20130527215725.jpg
「俺は別に何とも思わないけどね、この家。それに楽しいんだぜ?『あいつら』と暮らすのって。あいつらマジ面白れえ!」
「ふ~ん・・・まあそうだろうね。けどあたしは嫌だな。汚すぎるよここは!」

このアニスってのは典型的な金持ち女だな。自分の欲の為には金は惜しまないタイプか。
少し前の俺ならかなり興味がある部類の女。・・・か。


それから俺らはソファーで話をした。

43_20130527215744.jpg
「で・・・ あんたはここに何しに来たの?グレンも居ないのに・・俺に何か用?」
「うん。」


44_20130527215745.jpg
「あたしね、試したいんだ。」
「・・・試す?」


45_20130527215746.jpg
「そう!ジュールたんをっ!」
「は・・・?!」


46_20130527215747.jpg
「ジュールたんって呼んでいいかい?メロたんとお揃い♪」
「や・・・そういう事じゃなくて・・・っ!」


ドサッ



47_20130527215747.jpg
「お、おい・・・何のつもりだよあんた。」
「うふふふふ・・・」

なんだこの状況は。


49_20130527215802.jpg
「ジュールたん、『自分』を売ってるんでしょ?商品としてのジュールたんがどんなもんなのか
 試してみたいと思ったという訳さ。いいじゃん?お金なら払うよ?」
「・・・・・」


48_20130527215802.jpg
「何?グレンから聞いた訳?俺が男娼だって。」

別に構わないけどグレンがそういう奴とは思っていなかったから少し苛立った。


50_20130527215803.jpg
「グレンはそんな事言わないよ。あたしにはね、分かるのよ。そういう人の匂いが。ジュールたんの目は
 『プロ』の目してるもん。あたしはねぇ・・・貪欲なんだ。楽しめそうな事は何でも試したいの。
 だから・・・いいでしょ?楽しませてよ。」

・・・ここにもイカれた女が居たのか。
グレンも何だってこんな女と・・・


51_20130527215804.jpg
「アニス、悪いけどさぁ、俺今休業中なんだよね。それに・・・あんたグレンの女だろ?そういう相手とは
 商売できないね。ごめん。」
「んーーー?」


52_20130527215805.jpg
「グレンとはそんなんじゃないよ。あの子は好きだけどそんなんじゃない。それに、あたしは”誰かの女”
 とか、そんな言われ方は好きじゃない。あたしはあたし。誰の物でもないよ?」
「・・・・・そうか、悪い。」

イカれてるけど、面白い女。
自分に正直で自分が一番大事。
もしかしたら、俺に似ているのかもしれないと・・・そう思ったりもした。


「よっと。」

53_20130527215840.jpg
「ちぇ~!休業中じゃしょうがないね!ジュールたんがどれ程の男娼か、興味あったんだけどなぁ~」


54_20130527215841.jpg
「それにあたしなら上客になれたのに。勿体無いよ?後から後悔するかもよ?」
「あー・・・そうかもね。そしたらその時また頼むよ。」


55_20130527215842.jpg
「ふふっ 世の中そんなに甘くないんだな! あははははは!」
「・・・くくっ・・」


イカれたアニス。なかなかいい奴なんじゃねえの?



RRRRR RRRRR

57_20130527215844.jpg
また電話か・・・ 嫌な予感しかしねえぜ


58_20130527215900.jpg
「また・・・あのババアかよ・・・」


59_20130527215901.jpg
「・・・もしもし。・・・ああ、俺だよ。」
もういい加減にしてくれ。
仕事を続けるにせよこのまま辞めるにせよ、こいつらだけとは縁を切った方がいいとそんな警鐘が鳴る。


60_20130527215902.jpg
「あんたもしつこいなっ!もう俺は辞めたんだって!世話になった分のお返しはしただろう?!
 もう俺に構うのは止めてくれよ!」


61_20130527215903.jpg
「・・・・・・・・・・・・・・?!・・・は?何言って・・・・・・」


62_20130527215904.jpg
「・・・・・!!! どういう事だよ! なんで母さんが・・・! ・・・おい!ちょっと待てよ!おいっ!」


電話は切れた



どういう・・・事だ?!


63_20130527215919.jpg
俺は状況が飲み込めず、電話を握ったまま考えを巡らせていた。


64_20130527215920.jpg
「・・・・・・ジュールたん? どうかしたのかい?」



65_20130527215920.jpg
「・・・・・・・・・いや・・・ わから・・・ない。」




母さん


NEXT→22

スポンサーサイト

テーマ : The Sims3    ジャンル : ゲーム

20.秋風

Category: ストーリー > アスモデウスの翼   Tagged: シムズ3ストーリー  
1_20130501204720.jpg
グレンさんもジュールさんも帰らなかった翌朝、私は思い立ったその足で散歩に出た。



2_20130501204722.jpg
海に囲まれたこの島は、街外れまで来ると気持ちよい潮風を感じる事ができて
モヤモヤした気持ちも晴らしてくれるかのよう。



3_20130501204723.jpg
何故モヤモヤするんだろう・・・・・。その答えはきっと分かってる。
この町で一人で頑張っていこうと決めていたのに、思いがけずグレンさんとジュールさんと共に過ごすようになり、
それに慣れてきてしまって一人で居る時間を持て余すようになったから。
私は二人に依存してしまっている・・・


4_20130501204724.jpg
「寒くなったな・・・。」
私はそれでいいのだろうか?



5_20130501204725.jpg
また一人になった時、私はちゃんとやっていけるんだろうか・・・・・


6_20130501204742.jpg
ふと見上げると、暖を取っていた店の外に人影が見えた。


7_20130501204743.jpg
『絵・・・を描いてるのかし・・・ら?』
”絵”・・・か。学生の頃、メグと共に習っていた。描くのは好きだった。
何もかも決められた生活の中で、絵を描く事が自分を表現できる手段だったから。


8_20130501204743.jpg
そんな事を思い出したら描かれている絵を見たくなってしまった。


9_20130501204745.jpg
船を描いているのかしら・・・?


10_20130501204745.jpg
潮風に乗る油絵の具の匂いが鼻をくすぐる。ああ・・・懐かしい匂い。



11_20130501204813.jpg
「・・・・・・。」


12_20130501204814.jpg
「・・・・・何?」


13_20130501204815.jpg
「君、何か用かな?」
「え・・・・・・・・」


14_20130501204815.jpg
「え、あ・・・ごめんなさい!ただその・・・絵を描かれているのを・・・見ていただけで・・・・・」
いけない!失礼だったわ私・・・!


15_20130501204816.jpg
「・・・絵に興味があるのか?」
「え・・・ええ、昔少し習っていたので懐かしくて・・・その・・失礼してすみませんでした。」


16_20130501204831.jpg
「ふうん・・・。まあ別に構わない。邪魔はしないでくれよな。」
「え・・・ええ。」


17_20130501204832.jpg
そう言うと、その人は再びキャンバスへと向かいまた絵を描き続けた。


18_20130501204833.jpg
『とても真剣・・・。』
自分が夢中になれる何かがあるって素敵だと思う。今の私にはそんなものなど何も無い。
いや・・・これまでだって何一つ無かった。


19_20130501204834.jpg
私ももう一度絵を描いてみようかな。一人の時間を持て余すよりは余程いい。
今の私には・・・・・何が描けるんだろう。



そんな事に想いを馳せながら帰宅の徒に着いた。
やはり家でじっとしているよりも、こうして外を歩いた方が新しい何かと出会えるのだと少し嬉しくなった。



20_20130501204835.jpg
「それにしても、随分冷えるようになったわね・・・。この家、冬・・・大丈夫なのかしら・・・」


21_20130501204850.jpg
「お、ただいまメロ。何してたの?」
「あ、お帰りなさいジュールさん。んー、散歩して帰ってきたところですよ。」
「散ぽ・・・・っ・・」


22_20130501204851.jpg
「ックシュンッ!!!」


23_20130501204851.jpg
「ジュールさん?風邪ですか?!・・・大丈夫ですか???」
「ん~・・・大丈夫。ちょっと寝不足なのと急に冷えてきたから体がビックリしてるだけだよ。」
「そうですか・・・?」


24_20130501204852.jpg
「って事で俺寝るわ。あんたご飯大丈夫だよね?何かあったら起こしなよ?」
「ええ、大丈夫ですよ。ゆっくり休んで下さいね。」
ジュールさんのお陰で、私の料理も食べれるくらいには成長していた。

・・・ジュールさんは色も白くて小柄で・・・体弱そう・・・。
風邪ひかなければいいけど。






そしてグレンさんと私の働くお店の改装も終わり、また私達は仕事を再開する事になった。

25_20130501204853.jpg
グレンさんはマスターから譲ってもらったバイクで出勤するようになった。
私はまだ自転車で通っている。



26_20130501204910.jpg
「よぉマスター!久しぶりっす。またよろしく頼みます。」
「あらグレン・・・早いじゃない。」


27_20130501204911.jpg
「・・・ところで、改装ってどっか変わったか?」
「んまっ!変わったのよ!・・・見えないあっちこっちにガタがきてて、全部メンテしたんだからねっ!
 それにほら、壁だって・・・変わったんだからっ!」


28_20130501204911.jpg
「・・・・・へぇ~・・・・・。そう?」
「あんたね・・・」


29_20130501204912.jpg
「それよりグレン、ちょっと・・・話あるんだけどいい?座ってちょうだい。」

「・・・・・ああわかった。」




30_20130501204913.jpg
「で?なんすか?」
「う・・・ん、・・・・・」

マスターが言い淀むという事は、俺にとってありがたい話ではないと言う事だろう。
付き合いの長いマスターの考える事は、割と簡単に分かってしまうもんだ・・・が、どう来るか。


31_20130501204949.jpg
「ほら・・・前にあんたが代理で演奏したバンド、覚えてるでしょ?・・・その時にあんたの演奏を聴いた
 バンドの事務所関係者があんたのギターを気に入ったんだって。」

この人はまた・・・

32_20130501204950.jpg
「ねえ・・解るでしょ?これがどんなに光栄な事か!・・・それであんたの演奏をもう一度聴いてみたいんだって!
 勿論上手くいけばその先もあるって事よ?分かるでしょう?!!」

そんな話を・・・


33_20130501204951.jpg
「まったく・・・どいつもこいつもしつけぇなぁ。またその話かよマスター?」



34_20130501204952.jpg
「グレンあんたね!いい加減そうやって逃げてないで、自分の今後について考えてもいい時期じゃないの?!!!」

この子のギターに対するいつも逃げ腰な態度には、いい加減アタシも我慢の限界だった。
だって・・・グレンはギターが好きなはず。アタシは分かってる。
親友だった男の息子であるグレンには、ちゃんと自分の歩む道を見つけて欲しいと願ってる。



35_20130501204953.jpg
「はぁ~・・・・・。参ったな。分かったよ、ちゃんと話すから・・・さ。」

いい加減、『嫌だ嫌だ』と言ってるだけじゃ埒が明かないような気がしてきた。


36_20130501205100.jpg
「マスター・・・俺はさ、確かにギターを弾くのは嫌いな訳じゃないさ・・・・・」
「グレ・・・」


37_20130501205101.jpg
「むしろ・・・好きだよ。弾くのも聴くのも。そりゃそうだろ?ガキの頃ずっと親父の姿に憧れて、
 いつか俺も親父みたいに・・・って思っていたんだから・・・。」
「グレン!そうでしょ?!だからっ・・・だったら!・・・」
「マスター。」


38_20130501205102.jpg
「だけど俺は弾きたくねえんだよ。」


39_20130501205103.jpg
「弾きたくねえんだ。今は。」

弾きたかったらとっくに弾いてるさ。


40_20130501205104.jpg
「そんな俺がギター握ったって・・・本当に心に響く音なんて出せねぇだろ。そんなんで弾くなんて俺自身も嫌だしな。」



41_20130501205120.jpg
「だってグレン・・・。あんたはギターが好きで弾くのも好きで・・・それを求める人が居るなら
 それを仕事にできたら最高だって思わないの?!そりゃ・・・あんたも過去に色んな想いはあるだろうけど・・」


42_20130501205121.jpg
「俺はさ・・・・・   ギターを握ると思い出しちまうんだよ。 ・・・親父が弾いてた姿。
 ・・・・・そんな親父が大好きだった自分。いつも優しい目で見守っていたお袋の事を。」



43_20130501205122.jpg
「だけど、親父は死んだ。好きなギターばかり弾いて何も残さずに。 
 ・・・残されたお袋は弱い体で俺を養う為に働き・・・満足に医者にもかかれず死んだ。 
 ・・・嫌なんだよ、思い出すのも俺がそうなるのも。
 親父の背中しか見てなかった俺は、きっとギターを握れば親父と同じになるに決まってる。」

そうだ、だから俺はギターを握らない。
好きな事に夢中になり、大切な物を失うくらいなら初めからやらなければいい。
金を稼ぐだけなら別にギターじゃなくたっていい。



こんなのも、ただの言い訳だって分かってるさ。

でも嫌なんだよ。 何かあった時に、全てをギターのせいに、親父のせいにしてしまいそうで・・・

怖いんだ。


44_20130501205123.jpg
「グレン・・・・・」

マルクの事、母親の事が未だに辛いのは分かっていたつもりだったけど・・・これ程までにあんたは・・・


45_20130501205124.jpg
「だからマスター、わりぃけど俺にギターの話をするのはもう・・・やめてくれ。
 弾きたくないから弾かない。それだけの事さ。」


46_20130501205137.jpg
「それに俺、この店のバーテンの仕事 結構気に入ってるぜ?だから気にすんなよ?いや、
 これからも使ってやってくれよな。」


47_20130501205138.jpg
「真面目にやりゃあ、バーテンだって立派な仕事だろう?なぁ?」


48_20130501205139.jpg
「ふぅ・・・グレン、そんなの水商売やってるアタシに聞くまでもないでしょうが・・・。
 分かった、分かったわよあんたの気持ちは!・・・これからもよろしく頼むわね。」

グレンの本心を聞かされたならもう、・・・これ以上は言える訳がないじゃない。
でも・・・アタシは”いつか”を期待してる。
だってこの子は本当にギターが好きなの。それは隠したってアタシには分かる。

ね?それでいいでしょう? マルク。。。







49_20130501205140.jpg
秋の気配を益々感じるようになったこの頃、ほぼ日課となった散歩も景色を眺めるのが心地良い。
四季の移り変わりは、心を和ませ刺激を与え、新しい何かへと導いてくれる気さえする。


50_20130501205141.jpg
良く晴れた早朝、私は街外れの灯台まで足を伸ばした。
この町へ飛行機で降り立つ時に、窓からこの灯台を眺めた事を覚えてる。
あの時はまだ、まるで雲の上を歩いているかのような地に足の着かない心地だったけど、
今はこうしてしっかり歩いてる。

時の経過は人を変えてくれるのだろうか。私は変わった?
私は変わっていいの?

その答えはまだ見つからないけれど・・・・・。


51_20130501205154.jpg
『・・・?こんな早くにこんな場所に・・・人・・・?』


52_20130501205154.jpg
『もしかして』という予感で私は戸惑いながらも歩を進めた。


53_20130501205155.jpg
・・・この人は、やはり先日の・・・・・



54_20130501205156.jpg
「あの・・・・・」
「・・・!」


55_20130501205157.jpg
「・・・君は・・・先日の君か。何故ここに居るんだ?・・・また邪魔しに来たのか?」
「いえっ・・・あの散歩です。・・・お邪魔ですか・・・?またまたすみません。」


56_20130501205214.jpg
「いやすまない、別に邪魔だとは思っていない。君は散歩が好きらしいな。狭い町だ。あちこち歩いていれば
 まあ遭遇確立は上がって当然だろうな。」
「あの・・・あなたは画家さんですか?」
「いや違う。」
「そうですか・・・。」

なんだ、画家さんじゃなかったんだ。それにしては随分真剣に絵を描いてらっしゃるのね。
二度会ったら何だか以前からの知り合いのような気がして、気が緩んでしまう。
いけない。これじゃあグレンさんにまた「あんたバカか?」って言われそう!

彼の邪魔をしないように、私は帰路に着いた。




57_20130501205215.jpg
「・・・・・・・・・・」
なんだかつまらない。何もする気が起きない。


58_20130501205216.jpg
”仕事”もここ暫く行ってない。行きたくないんだからしょうがない。
だけど、グレンとメロの仕事が再開して、俺は一体何して時間を潰せばいい?

おかしいね。前は基本一人でいつも居たのにさ。
あいつらがこの家に居ないと静か過ぎてつまらなく感じてしまう。
だからといって”客”と過ごす気にもなれない。

・・・・・重症だね。
そろそろ母さんの様子でも見に行くか・・・


RRRRR RRRRR RRRRR

こんな時に限ってやたらと呼び出しが掛かるとか・・・メンドクサイ。


59_20130501205216.jpg
・・・ちっ   あのオバサンかよ・・・


60_20130501205217.jpg
「もしもし?・・・ああ久しぶりだね。うん、元気だよ?・・最近ちょっと忙しくてさ・・・」
『ジュール、あなた全然顔を出さないじゃない?ちょっと酷いんじゃなくて?何か楽しい事でも見つけたのかしら・・・
 どう?これからこっちへいらっしゃい。たまにはあなたの顔を見て話がしたいわ。』

話 ねぇ・・・


61_20130501205232.jpg
「悪いけどさ、そう俺今楽しい事見つけたんだよね。あんたの所に居た時も楽しかったけど、
 今はまた違った楽しい生活を送ってんの。 だからさ、もう俺の事は放っておいてくんない?
 今までの事は感謝してるよ。」

いずれにせよ、この変態夫婦とはもう係わらない方がいい気がした。


62_20130501205233.jpg
『・・・・・・・・・・・。ふうん、そうなのね?そう・・・。まあいいわ。でも残念ながらそうもいかないかも
 しれないわよ?ジュール。私はあなたを気に入ってるの。うふふふ・・・
 また会える日を楽しみに待ってるわね。それじゃ・・・』
「は・・・?」


63_20130501205234.jpg
「・・・・・・・・・」
何だっていうんだ。俺はもうあんたらの与えてくれる”輝き”じゃ満足できないんだよ。わかんねぇのかね。
まあ所詮金持ち連中には分からない事だってあるって事さ。


俺は俺が本当に欲しい物を追い求めてみようって決めたんだ。


NEXT→21

テーマ : The Sims3    ジャンル : ゲーム

19.変化

Category: ストーリー > アスモデウスの翼   Tagged: シムズ3ストーリー  
今回久しぶりにちょっぴりアダルトシーン(っぽい部分)があるので苦手な方は観覧注意です。
ちょっぴりなので大した事はありませんけどね!





1_20130320004633.jpg
バンッ!
「グレンッ!ちょっとどーゆー事?!」
「・・・まじで来たのか・・・」


2_20130320004634.jpg
「お前・・・なんでここ判った?」
「あたしの情報網舐めないで。」


3_20130320004635.jpg
「そんな事よりグレン!なんでメロちゃんちに居るのよ!」
「いや・・・ここに住む事にしたから・・・」
「はぁ?!何でよ!住むならあたしんちの方がいいじゃない!一言の相談も無く決めてどういう事?!」
「お前んちって・・・」


4_20130320004635.jpg
「つーかよ、別にお前にとやかく言われる筋合いはねえだろうよ。お前とはそういうんじゃねえだろ。」



5_20130320004635.jpg
「・・・・・・・・・」
「それにお前んちは他の男が来んだろうがよ。その都度追い出されるなんてごめんだぜ。」
「・・・・・・・・・」


6_20130320005630.jpg
「ま・・・・・確かにそれは言えるわね。じゃあしょうがない。」
「あっさり引き下がるなら食って掛かるんじゃねえよ。ったく・・・」


7_20130320005631.jpg
「けどまあ・・・なんでまた・・・メロちゃん?あなたいいの?」
「え・・・」


8_20130320005632.jpg
「こんな得体の知れない男と一緒に住むなんて正気の沙汰とは思えないよ?あなた真面目そうなのに。」
「え・・・・・」
(マスターと同じ様なことを・・・)



9_20130320005632.jpg
「なあグレン、あの子あんたの店のダンサーだよね?」
「ああ、看板ダンサーのアニスだ。」
「ふうん・・・あんたらそういう仲か・・・。」


10_20130320005632.jpg
「で? 何でまたメロちゃんちに同居する事になったわけ?!」
「それは・・・だな・・・」

アニスに一応の経緯を話してやった。こいつが騒ぐと後々面倒だ。


11_20130320005647.jpg
「ほうほう~・・・メロちゃんの危機を救ってあげたというわけかい。ヒーローだねグレン。」
「ま、そういうこった。」


12_20130320005648.jpg
「まぁあれだ。俺も決まった家があるわけじゃねえし、シェアすれば家賃も浮くだろう?
 それに・・・この家だ。お前も知ってんだろ。」
「あ~・・・ストーカーのねぇ。」


13_20130320005648.jpg
「でもさぁ、メロちゃんほんとにいいのぉ?グレンだよぉ?身の危険感じないのぉ?」
「え・・・?グレンさんはそんな人じゃ・・・それに二人じゃないですから・・・」


14_20130320005649.jpg
「そう、俺も居るしね。はい、パイが焼けたよ。食べようぜ。」
「おや!君は見た事あるね?・・・最近店によく来てたよね?」


15_20130320005649.jpg
「あんたが売れっ子ダンサーのアニスちゃんか。よろしくね、俺ジュール。」
「うん、よろし・・・く・・・」


16_20130320005706.jpg
(ジュール・・・?)









17_20130320005706.jpg
「ねえ・・・グレン~、たまには二人で飲みにでも行こうよぉ。最近全然相手してくんないんだもん。ね?いいでしょ?」
「・・・あ?・・・そうだな・・・」


18_20130320005707.jpg
「まだお店も休みだしいいじゃん。ね?行こう?」
「ああ、分かった付き合うぜ。」


19_20130320005708.jpg
「・・・って事で出てくるわ・・・。」
「あ・・はい、分かりました。」


20_20130320005708.jpg
「メロちゃん、今日はグレン帰らないけど心配しないでね。それとまたあたしも遊びに来るから!じゃね!」



21_20130320005725.jpg
「はい・・・。是非またいらしてください。」
(アニスさんとグレンさんは・・・お付き合いしてる・・・・・?)

グレンさんの事もジュールさんの事も、個人的な事はあまり知らない。
グレンさんとアニスさんの関係は恋人同士のようにも見えるけど、何か違う気もするし・・・
都会ではお付き合いの仕方も私が思うようなものと違うのかしら・・・


22_20130320005726.jpg
「・・・・・・・・・・」


23_20130320005726.jpg
(今夜はグレンは帰宅せず・・・か)


24_20130320005727.jpg
「なあメロ、ちょっと付いてきなよ。」
「え・・・?何ですかジュールさん・・・」


25_20130320005727.jpg
「いいからさ・・・俺に付き合って。」





26_20130320005743.jpg
「やっぱ夜は冷えるなぁ~・・・」


27_20130320005743.jpg
「綺麗な夜空だね。こんな町でも空気が冷えると星が輝いて見える。」
「ええ・・・ジュールさん・・?」

「ちょっとスーパーでさ、夏の売れ残りを買ったんだよね。付き合ってよ。」


28_20130320005744.jpg
「ほら、花火!秋の花火っていうのもなかなか風流だろ?メロやってみなよ。」
「花火・・・ですか?私・・・やった事ない・・・です。」


29_20130320005744.jpg
「きゃっ!きゃ!こ、これ危ないんじゃないですか?!」
「花火やった事ないって?やっぱあんたちょっと違うね。大丈夫、ちゃんと持ってな。」


30_20130320005745.jpg
「わー!綺麗!・・・ってこれいつまで持ってれば?!」
「火薬が全部燃えたら消えるからそれまで持ってな!」


31_20130320005809.jpg
「なんだか・・・わくわくしますねジュールさん!花火って楽しいです!」
「そうか、それは良かった。」






32_20130320005810.jpg
「あ~楽しかった!ありがとうジュールさん。皆さん夏にはこのような遊びをされるんですか?」
「子供はね。・・・大人はこういう事をすると子供の頃を懐かしく思い出すって感じじゃないのかな?
 最後にもう一個あるから待ってな。」




33_20130320005810.jpg





34_20130320005811.jpg
「あんたが花火もやった事なかったとはね・・・。まあ驚きはしなかったけどさ・・・。」
「ジュールさんは子供の頃によくやられたんですか?ご家族で?」


35_20130320005811.jpg
「俺は・・・ガキの頃に一人でやったかな・・・。」
母さんの客が来てる時なんかに時間潰しによく一人でやったな。


36_20130320005825.jpg
「あんたさ・・・前から気になってたんだけど、普通じゃないよな?」
「普通じゃない・・・?」
「というか、あんたいいとこのお嬢さんじゃねえの?そんな雰囲気が漂ってる。世間知らずというか・・・」



37_20130320005826.jpg
「そんなあんたがこの町で一人で何をやってるのか。・・・実はとっても興味があるんだよね、俺。」

グレンと共に、メロに対するそんな不思議な興味がどんどん大きくなっている。


38_20130320005826.jpg
「わ・・私はその・・  一人になりたくてこの町に・・・何か目的があるとか
 ・・そういうんじゃないのですが・・その・・・何か・・・」

歯切れの悪い返答。やはりメロは何か訳ありか?そんな感じには見えないんだけどな。


39_20130320005827.jpg
「・・・この町はとても刺激的で私の知らなかった事を沢山教えてくれます。
 だから何か・・・自分にできる事を見つけられたらそれでいいかと・・・思っているだけです・・・」

ただ逃げてきただけの私。何をしたい訳でも何かを見つけたかった訳でもなかった。初めは。
でも今は・・・この町で自分の足で立ち、何かを見つけたいと思ってる。

そして・・・いつの日か、置いて来た過去と向き合う事ができればと・・・
そんな強い自分になれたら・・・・・


40_20130320005827.jpg
「刺激ねえ・・・。ストーカーとか? ははっ、なんか危なっかしいねぇあんた。
 あんたみたいな女が一人でやってける町じゃねえぜ?この町は。「騙して下さい」って顔に書いてあるからあんた。」
「そんな酷い!も~・・・ジュールさんってば・・・」


41_20130320005848.jpg
「だってさ、俺だって実はあんたを騙すために近付いたかもしんねえじゃん?グレンだって怪しくねえ?」
「あはは!自分で何を言ってるんですかジュールさんってば!」


42_20130320005848.jpg
「いや、だってさ・・・」
「ジュールさんもグレンさんもいい人だって私は思いますよ。それに私を騙したって何も出てきませんよ?」
「何も出てこないとかそういう事じゃ・・・」


43_20130320005849.jpg
「だって・・・シェア始めてからずっと・・・毎日がとっても楽しいの。一人の時よりずっと。
 グレンさんは私の身を案じてくれるし、ジュールさんはお料理も教えてくれるし・・・感謝しています。」

そう、ジュールさん達との毎日が楽しい。
ここへ来てから一人で淋しかったからというのもあるかもしれないけど、ジュールさんもグレンさんも
悪い人じゃないって一緒に居たら分かる。一緒に居ると楽しい。これだけは事実だから・・・


44_20130320005850.jpg
「私、この町でジュールさんやグレンさん、マスターのようないい方達と出会えて良かったって思っています!」

一人だったらとっくに潰れていたかもしれない。本当に出会いには感謝するばかり・・・


45_20130320005850.jpg
「・・・・・」

なんともまっさらな心を持ってるかのようなメロ。
けど彼女にも何か抱えてる「陰」を俺は感じる。笑顔の彼女だけど突けばすぐに崩れてしまいそうだ。
グレンのついでに興味を持っただけだったけど、彼女の「何か」にも興味が沸いてきた。

だけど・・・俺らと居ると楽しいか・・・。
そんな本心を聞かされて、俺はどうしたらいいのか分からなくなる。

何を見ればいい? 何をすればいい? 何を手にすればいい?

自分の目的が何なのか。何がしたかったのか・・・・・分からなくなる。


46_20130320005912.jpg
「でもさ、あんま信用しないほうがいいよ俺の事。」
「ジュールさん・・・?」


47_20130320005912.jpg
「俺なんて自分の事しか考えてないし・・・いい加減に生きてるだけだから・・・・・」

メロにそんな事を言ったのは、怖かったからかもしれない。
彼女のような人に信用される自分が。俺はそんな人間じゃない。



48_20130320005913.jpg
「今夜はグレンも帰らないようだし、俺も出かけるわ。戸締りちゃんとして寝てねメロ。」
「え・・・あ、はい。分かりました・・・」


49_20130320005913.jpg
「はぁ・・・寒い・・・」






50_20130320005914.jpg
流石にメロと二人っていうのもね・・・。
メールが入ってたよな。・・・ああこの人か。たまにはお仕事しないとな。


51_20130320010403.jpg
今夜は随分冷えるな・・・。






52_20130320010404.jpg




53_20130320010404.jpg
「ジュール!待ちくたびれちゃったわよ~!女性を待たせるなんていけない子ねぇ。」
「ごめんごめん、支度に手間取っちゃって?・・・なんて」


54_20130320010405.jpg
「しかし今夜は冷えるよね。俺熱い風呂に入りたいな。」
「あらそうね・・・そうしましょう・・・」


55_20130320010405.jpg
「でもその前に、私もジュールを待ってて冷えちゃった。暖めてくれるかしら?」


58_20130320010421.jpg
「ふふっ ここで?いいよじゃあ唇ね?おいで。」


56_20130320010420.jpg
「ん・・・。」


57_20130320010421.jpg

人の唇っていうのは温かい。温かいよね。けどちっとも暖まらないのは何故なんだ?




59_20130320010422.jpg
「・・・ふぅ・・やっと人心地ついた。俺って冷え性なのかも。」



60_20130320010422.jpg
「ねえジュール、最近連絡してもなかなか会ってくれないじゃない?私淋しかったのよ?
 せっかく主人の目を盗んであなたに会いに来る時間を作ってるのに・・・」
「ごめん・・・ちょっと身辺がバタバタしててさ。でも呼んでくれて嬉しいよバーバラ。」


61_20130320010436.jpg
「その分今日はいっぱい暖まろう?・・・ね?」
「ジュ・・・」

確かに。以前は手に入れたい目的のために身体を売るのは何とも思わなかった。
いや、今でも何とも思わない。別に苦でもなければ楽しくもない。
以前は目的の為の手段だったからそれなりに楽しめた。
欲しい物を手に入れるための過程ならばそれなりの期待に心も沸き立っていたんだろう。

ただ今は・・・面倒臭い。それだけかな。


『家』に帰りたい。
最近俺の心に湧くのは大抵これだ。
それだけグレンとメロが俺の興味をかきたてる・・・と、そういう事か。




62_20130320010437.jpg
(今夜は一人・・・)


63_20130320010438.jpg
少し前まではこれが普通だったのに・・・。
人間ってその環境に慣れてしまうと変わるのね・・・
一人の時間がこんなに物足りなく感じるなんて、私二人に甘えすぎてる。



64_20130320010438.jpg
(明日は・・・一人で散歩にでも行こうかな・・・)

気付かないうちに二人に依存してる自分が情けなくて困惑した。
こんなんじゃダメな気がする。二人には二人の、私には私の生活があるんだし・・・。


65_20130320010439.jpg
私も早く自分だけの「何か」を見つけたい。

そんな事をグルグル考えながらその晩は眠りについた。






67_20130320010453.jpg
「ねえグレン。さっきのあの子、ジュールっていうのよね?どういったお友達なの?」
「ん?・・・あいつは店の客だったんだが妙に俺に付きまとって成り行きで今に至る。」
「ふうん・・・何やってる子か知ってる?」
「仕事か・・・? 本人曰く「販売系」だとよ。あとは本人に聞け。」


68_20130320010453.jpg
「・・・販売系ね・・・ 体が売り物か。」
「何だお前そこは流石と言うとこなのか?興味持つのはいいけどよ、揉め事起こすなよ?」

「ふふっ。揉め事ね。起こらなきゃいいけどね~? ほれ!グレン君!休憩終わり!」

「・・・・・勘弁してくれ。」


NEXT→20

テーマ : The Sims3    ジャンル : ゲーム

18.関係

Category: ストーリー > アスモデウスの翼   Tagged: シムズ3ストーリー  
1_20130306210941.jpg
「ただい・・・ま」


2_20130306210942.jpg
(「ただいま」か・・・。)
自分のうちでないここでつい出てしまった言葉に苦笑いした。
「ただいま・・・か。」


3_20130306210943.jpg
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「あんたら」


4_20130306210943.jpg
「ジュールさん、お帰りなさい。」
「あんたらまだ揉めてんの?」


5_20130306210944.jpg
「で? どうなったんだよ金の分担。」


6_20130306210958.jpg
「グレンさんが納得してくれました!家賃及び掛かる経費は折半で!」
「・・・へぇ?」

それは意外だな。


7_20130306210958.jpg
「いいんだそれで?用心棒代はどうすんの?」
「ったくよ、この姉ちゃん意外と頑固でよ。用心棒は何かあった場合にその都度支払いって事だ。」
「・・・いいんだそれで?」


8_20130306210959.jpg
「ま、いいさ。それよりジュール、外に面白れえもんがあったからやるぞ!」
「面白いもの?」


9_20130306210959.jpg
「メロはその間に飯作っとけよ。」
「・・・!ご、ご飯ですか?!でも私・・・」




10_20130306211000.jpg
「バスケ・・・かよ。あんまこういうの好きじゃないんだよね・・・」
「何だよ、俺なんか暫く仕事行ってねえから体が鈍っちまってダメだ。・・・よっ!」


11_20130306211017.jpg
「よっしゃっ!お前も入れてみろジュール!」
「まったく・・・・・」


12_20130306211017.jpg
「好きじゃないけど・・・できないわけじゃあ・・・」


13_20130306211018.jpg
「ねえんだぜっっと!!!」


14_20130306211018.jpg
なんだよ、やるじゃねえかジュール。


15_20130306211019.jpg
「っと?!」


16_20130306211237.jpg
「たっ~~~~~~~~~~~~~~~~w いてて・・・」


17_20130306211238.jpg
「やっぱ鈍ってんな・・・」
「情けねえなお前はっ!」


18_20130306211239.jpg
「見てろ俺のスーパーダンクっ!」


19_20130306211239.jpg
楽しかった。こうやって身体を動かしたのは何年振りだろう。
それにグレンがいつものクールな仮面を外してはしゃいでる姿を見て何だか俺まではしゃいでしまった。
グレンと居ると俺は俺じゃないみたいになる。そんな自分が意外にも嫌ではなかった。




20_20130306211240.jpg
(ご飯・・・・・)


21_20130306211301.jpg
「ご飯・・・・・」


22_20130306211301.jpg
「あ痛っ!!!」
何をどうしたらいいのか分からないのにグレンさんってば!もう!




23_20130306211302.jpg
「あー!汗かいちまった!面倒だここで汗流そうぜ!」


24_20130306211302.jpg
「おいおい・・・幾ら何でももう秋だぜ?中でシャワー使えばいいのに・・・」
「めんどくせえ!」
子供みてえだな、全く。


25_20130306211303.jpg
「メロ~、やってる?」
「・・・・・はい。・・・・・やってます・・・。」
この姉ちゃんは大丈夫かね?

「・・・何作ってんの・・・?」
「さあ・・・」


26_20130306211317.jpg
「これは・・・?」
「・・・・・さぁ・・・・・」


27_20130306211317.jpg
「あ~あ、食材無駄にしちゃってさぁ・・・。」


28_20130306211318.jpg
「おい、飯できたのか?」
「んー・・・どうかね。」


29_20130306211318.jpg
「・・・・・・・・まさかそれを食わせようってんじゃねえよな?・・・」


30_20130306211319.jpg
「それよりグレンびしょ濡れじゃん。着替えて来いよ風邪引くぜ?」
「あ?ああ・・そうだな。」


31_20130306211332.jpg
「それじゃあ召し上がって下さい。」
「食えるかあんなもんっ!」


32_20130306211333.jpg
「へきしゅっ!・・・マジ風邪ひくわこりゃ」

「なんでですかー!?食べて下さいって~!」
「あんたが食えよ!俺は腹壊したくねえ!」




33_20130306211334.jpg
「あ?・・・・・なんだこりゃ・・・」


34_20130306211334.jpg
「おいメロ!!!ちょっと来い!」
「はーーーい?」


35_20130306211335.jpg
「・・・これはどういう事だ?」
「ああ、さっきフリーマーケットの業者の方が運んでいらっしゃいましたけど・・・?」


36_20130306211348.jpg
「良かったですね、今日からベッドで寝れますよ。」
「良くねえ!確かシングル2個だったよな?!買ったのはよっ!」
「ああ・・・なんか手違いでこれしか残らなかったとか何とか・・・。でもこっちの方が高価らしいですよ?」


37_20130306211348.jpg
「・・・何か問題でも?」
「お前は・・・・・バカなのか?! なんで野郎と一緒の寝床で寝なきゃならん!」
「・・・?何がダメなんですか???」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




38_20130306211349.jpg
「そうそう、材料は丁寧に細かく切らないと口当たりが悪くなって美味くならないからね。」
「はい!」


39_20130306211349.jpg
「斑のないようによく混ぜる!殻を入れないでよ?」
「はい!」


40_20130306211350.jpg
「卵料理は火加減が命だからね。弱火でとろみがつくまでゆっくり混ぜる。」
「はい!」


41_20130306211402.jpg
「・・・!ちゃんとできました!ジュールさん!」
「うん、良かった。」



42_20130306211403.jpg
「じゃあ・・・いただこうか。」
「はい!」


43_20130306211404.jpg
「どどど、どうですか?!」
「うん・・・。食えるよ。美味くはないけど食えなくはない。もっと練習だね。」
「・・・消し炭じゃなきゃなんでもいいぜ。」

「良かった!」


44_20130306211404.jpg
「ジュールさんは・・・もしかしてお料理関係のお仕事されてるんですか?」
「え・・・?」


45_20130306211405.jpg
「俺は・・・・・俺の仕事はまあその・・・『販売関係』だよ。」
別に隠さなくても良かったけど、メロにはわざわざ言う気がしなかった。何故だろうね。


46_20130306211422.jpg
「そうですか・・・なんか勿体無い。ジュールさんなら料理人としてかなりの腕前だと思うのに・・・。」
「そんな事はないよ。」
料理はできたってプロのそれとは違うだろう。世の中そんなに甘くない。


48_20130306211423.jpg
「そうだぜジュール!その『販売関係』なんて辞めて料理の道を進めばいい。そして俺らに美味いもん食わせろよ。」
グレンが面白がって何をほざく。
「ふうん・・・。」


49_20130306211423.jpg
「グレンがギターを弾いたら考えてやるぜ。交換条件だ。」


50_20130306211424.jpg
「は・・・またその話か。 まあいいさ、覚えといてやるよ。」
そうさ、あんたが頑なに拒むギター。それを聴かせてくれたら俺も考えるさ。
既に無理だと分かってて俺はグレンにその話を振った。


51_20130306211425.jpg
「ご馳走さん。ジュールちょっと来い。」
「ん・・・?ああ、メロご馳走さん。」
「お粗末さまでした。」




52_20130306211448.jpg
「これを見ろ。」
「あれ?!なんでダブルが来てんの?」


53_20130306211448.jpg
「店の親父のいい加減な仕事らしい。そして頼んだのはお前だ。」
「・・・・・だから?」


54_20130306211449.jpg
「お前はそこのマットレスで寝ろ!いいな!お前の責任だ!」
「はぁ?!冗談!これから寒くなるってのにあんなんで寝たら体壊すっての!」


55_20130306211449.jpg
「・・・冗談じゃねえよ。俺は別に構わないぜ一緒に寝ても・・・嫌ならあんたがマットで寝なよ。」
「・・・っ!何だと?!」
「何びびってんのかね・・・。俺そっちの趣味ねえし?」
「そういう問題じゃねえだろ・・・男同士で同じベッドとかあり得ねえだろっていう話だよ!」


56_20130306211450.jpg
「そんなに嫌なら俺家に帰るぜ?そしたらあんたも出てかなきゃなんねえよな?いいの?それで。」
「お前な・・・・・」


57_20130306211506.jpg
「お二人ともお休みなさ~い。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





58_20130306211507.jpg
「・・・・・寝タバコはやめなよ。」
「うっせえ。」




59_20130306211507.jpg
「やっぱり綺麗な音色。」

こうして私達の共同生活は始まった。




60_20130306211507.jpg
それからお店がお休みの間、二人が町の事を色々教えてくれたり買い物したり


61_20130306211508.jpg
グレンさんはあまり乗り気ではないようだったけど、私達に付き合ってくれた。
ジュールさんはまるで弟のように私の事を気に掛けてくれて世話を焼いてくれる。
年下だけど、私の方が妹みたいでなんだか安心できた。


62_20130306211521.jpg
「これがあった方が・・・美味しく作れるかな。今度やってみようか?」
「ええ。是非教えてください。」
私はジュールさんにお料理も少しずつ教えてもらっていた。


63_20130306211522.jpg
この町で一人ぼっちだった私だけど、シェアハウスが始まってから毎日が楽しい。
それだけは確かだった。お二人ともいい人で本当に良かった。


64_20130306211523.jpg
「じゃあ俺は飯作るわ。」
「ええ、お願いします。私もここが終わったらお手伝いしますから。」
家も少しずつ綺麗にしていこう。

「グレンさーーーん!ちゃんとやってますかーーー?!」


65.jpg
「おう!・・・やってるぜ・・・。」


66.jpg
(ったっく何で俺がこんな事・・・)


RRRRR RRRRR RRRRR


67.jpg
(あ? アニス・・・?)


68.jpg
「おう何だアニス久しぶりだn・・・・
「ちょっとグレンってば店にも居ないし一体何処にいるのよぉ!!!」
「・・・ああちょっとした事情でメロんちに居る。」
はぁぁ?!メロってあのメロたん?どーゆー事?!ちょっと!今から行くから待ってて!!!
「は?!」


69.jpg
「ちょっと待てっ!行くってお前どうやって・・・」
ツーツーツー・・・


70.jpg
(・・・おいおい。勘弁してくれよな・・・。)


NEXT→19

テーマ : The Sims3    ジャンル : ゲーム

17.思惑

Category: ストーリー > アスモデウスの翼   Tagged: シムズ3ストーリー  
02/21追記:ここで出てくる金持ち夫妻はメロの両親ではありません^^;
この町で過去にジュールに声を掛けた夫人とその夫です。
以前にもメロの両親と間違われた事があったのでここで書かせて頂きます。
紛らわしくてすみませんでした~(ぺこり)



1_20130220184053.jpg
「あ~疲れるパーティーだった!病院関係者に愛想を振りまかなきゃならないなんて、だから嫌なのよ
 会社絡みのパーティーは!」
「仕方ないだろう・・・。これも我が社の経営にとっては大事な仕事だよカリエラ。」


2_20130220184054.jpg
「そうだな・・・ 今夜はまたどの子か呼ぶかい?」
「あなた。」


3_20130220184055.jpg
「ここ最近呼んでる子達、まったく面白くないのよ!分かるでしょう?」



4_20130220184055.jpg
「私はね・・・ジュールがいいの。あの子は他の子とは違う何かを奥底に持っているの・・・。
 そうね、”飽くなき欲求”とでも言うのかしら?・・・感じるのよね。それが私にも火を点ける・・・」


5_20130220184056.jpg
「それなのに・・・最近あの子寄り付かないのよね。以前はうちに入り浸っていたのに・・・。
 何か面白い物でも手に入れたのかしら?困った子ね。」


6_20130220184105.jpg
「ねえあなた。私ジュールをずっと傍に置きたいの。私専用のおもちゃにしたいの。いいでしょう?」


7_20130220184106.jpg
「まったく・・・君は欲しがる物が多くて困った女王様だな。また私に手を回せとと言うのかい?
 しょうがない子だね。・・・分かったよ。」
「うふふ。だって欲しい物は欲しいんだもの。」



「・・・まったく。」

8_20130220184106.jpg
「まったくママったら相変わらず貪欲ね。」
「あら・・・」


9_20130220184106.jpg
「貪欲なのはいけない事?自分の持つ財力や地位を使って欲しい物を手に入れたいのが人間でしょう?
 その為に今夜のようなくだらないパーティーにも嫌々でも出席してるのよ?」


10_20130220184107.jpg
「そんな事を言うあなたもやりたいようにやってるみたいじゃない? ふふ・・・いいのよそれで。
 それでこそママの娘よ。お金も若さも美貌も、あるうちに楽しまなくっちゃね。」

「・・・・・そうね。」










11_20130220184116.jpg



12_20130220184116.jpg



14_20130220184117.jpg
「・・・あんた何してんの・・・?」
「え? 朝食を作ってるんですよ!」

ふうん、朝食か。やはり女はそういう事をやるのかね。
朝飯なんかは普段食わない俺だけど、寝床に朝食、まあ悪くはない。


15_20130220184117.jpg
「・・・・・ん、朝か・・・?」


16_20130220184126.jpg
「いたた・・・」
流石に2晩も硬いマットレスで寝ると体が軋むな。





17_20130220184127.jpg
(これで・・・いいのよ・・・ね?)


18_20130220184127.jpg
(作り方は間違えてないはず。)

私、料理だけは一人でやった事がない。
実家でもミダに習おうとしたけれど、母に止められてしまってそれきりだ。
『両家の子女は台所に立つ必要は無い。そんなのは使用人のやる事だ。』と。
そういえば母の手料理を食べた記憶は一度もない。

19_20130220184128.jpg
「もう・・・できたかな?」


20_20130220184128.jpg
「え・・・?!」
何故かコンロに火が点いた。・・・火が点いた?!


21_20130220184157.jpg
「ちょっ・・・!何やってんだよ!!!」



22_20130220184157.jpg
「分かりませんっ!突然コンロが燃えました~~~!!!」

「ちょっと・・・!どうしたんだよっ!あんたら何してんだよ!」


23_20130220184158.jpg
「なんで火事になってんの?!この家ボロいからヤバいんじゃねえのっ?!」
「ひぃー!分かりませんっ!朝食作ってたらコンロが燃え出してぇ~!!!」



25_20130220184158.jpg
「・・・ふぅ・・・。何とか消えたぜ・・・。」


26_20130220184159.jpg
「ちょっとあんた!」


27_20130220184209.jpg
わ、私・・・?
「は・・・い?」


28_20130220184209.jpg
「・・・コンロに何入れた?・・・というか初めから不安だったんだが、あんた料理できるんだろうな?」

「・・・・・・・・そ、それは・・・。」
「やっぱりか。」


29_20130220184209.jpg
「あんたみたいな女は見掛け倒しで料理なんてできねえんじゃないかと思ったぜ!知りもしないのに
 火使うんじゃねえよっ!俺らも巻き込んで死んじまうだろが!この馬鹿がっ!」
「うううぅ・・・ す、すみません・・・」

確かにグレンさんの言う通りだけど・・・だけど悔しい!


30_20130220184210.jpg
「で、できないから本を見て勉強したんです!朝御飯くらい作れるようになりたいからそれでっ・・・」
「あんたは読解力も無いのか?」
「酷い!」


31_20130220184210.jpg
「ジュール、何してる?」
「ん?飯作ってんだよ?」


32_20130220184235.jpg
「お前は料理ができるのか?」
「まあガキの頃から自分の食うもんは自分で何とかしてたからね~」


33_20130220184236.jpg
「はい、フレンチトーストできたよ。」
「わぁ!」


34_20130220184236.jpg
「凄くいい匂いで美味しそう! あの・・・今度私に作り方を教えてくれますか?」


35_20130220184236.jpg
「いいよ?また火事起こされちゃたまんないしね。」
「あ、酷い・・・」



36_20130220184237.jpg
「うん!凄く美味しいです!」
「そう?そりゃ良かった。グレンも口に合う?」


37_20130220184302.jpg
「ああ・・・美味いよ。」

フレンチトースト。・・・お袋がよく朝飯に作ってくれた。・・・懐かしい味だ。





38_20130220184303.jpg
「ご馳走様でしたジュールさん。 ところでシェアハウスという事なので、この家に掛かる経費の分担を
 ご相談したいのですが。 家賃もですが、あちらこちら直さねばならない所もあるようなので・・・」


40_20130220184303.jpg
「ああ、頭割りで構わないよ。メロに任せるから、必要であれば請求してよ?」
「分かりました、ありがとうございます。」

せっかくシェアして一人辺りの負担が減るのだから、もう少し快適に暮らせるようにしたい。


41_20130220184304.jpg
「グレンさんもそれでいいですか?」
「・・・ん?・・・」


42_20130220184304.jpg
「ちょっと待て。全額頭割りというのはどうなんだ?」
「・・・はい?」


43_20130220184315.jpg
「取りあえず俺の分の負担、『用心棒代』から引いといてくれよ。」
「はい?!」


44_20130220184316.jpg
「・・・・・・・・・・」
「あれだよ、あんたを守る用心棒代。こないだのストーカーもそうだし、さっきの火事だって俺が居なかったら
 あんた一人じゃ何も対処できなかっただろう?」
「そうです・・・が・・」
「だからその御代を取りあえず家賃にまわしてくれ。差額は払うから。」
「・・・・・・・・・・」

45_20130220184316.jpg
「・・・・・・・・・・」
「ジュール、俺何か間違った事言ってるか?」
「・・・きっとグレンってそんな奴だよな?」


46_20130220184317.jpg

「・・・・・・・・・・」

47_20130220184317.jpg
「や、とりあえず俺は家に服取りに行って来るぜ。あんたらもっとじっくり話し合えばいい。」

「そうですね。グレンさん、もう少し話し合いましょうか?」
「おう。望むところだ。」


48_20130220184327.jpg
「面白いね、ホント。」
やっぱり正解だった。 あいつら・・・面白れぇ!












49_20130220184328.jpg
「ただいま。」
「・・・あら~ジュール帰ったの~?久しぶりじゃない~」


50_20130220184328.jpg
「何だよ母さん、昼間っから酒飲んでんのかよ?」
「自分ちでいつ飲もうがアタシの勝手でしょう~?」


51_20130220184329.jpg
「なぁ~に?しばらく見かけないと思ったらお説教に帰って来たってぇいうのぉ~?やめてよぉね!
 アタシはアタシで好きにやってんだかぁらさぁ~」


52_20130220184329.jpg
「別に・・・何も言う気は無いけどね。金、大丈夫なの?」
「金ぇ~?」


53_20130220184339.jpg
「なぁあによぉ~、金持ってきてくれたってぇ言うのぉ~?」
「・・・いや、俺はしばらく知人の家に世話になるから着替え取りに来たんだ。」

「はっ・・・、またどっかの金持ちんとこでも転がり込むのぉかい~?ふふふ、流石アタシの息子。いいねぇ~」


54_20130220184340.jpg
「何?金無いの?俺幾らかなら手持ちあるけど?」

「ふふ・・・。金ならあるさね。心配しなさんなぁ~」
「なら・・・いいけど。」

珍しいな。いつも顔を見れば金金言ってたお袋が。


55_20130220184340.jpg
・・・ん? 薬? 何の薬だ?


56_20130220184340.jpg
「じゃあ俺行くけど、あんま飲み過ぎんなよ?もう年なんだからさ。」
「はいはぁい~、アタシの可愛いジュールちゃぁん!たまには顔出しなさいよぉ~~~?」
「ああ。」




57_20130220184341.jpg
(まったく・・・いつまで経っても子供みたいな母親だな)


あんな母親だけど、俺は母さんを嫌いではなかった。母さんは母さんなりに俺の事を愛してくれてるのを
感じて育ってきたから。アバズレだけど、最低限の母性は持ち合わせているようだ。

子供っていうのはさ、例えばどんなに親に酷い仕打ちを受けたとしても、ほんの一握りでも
どこかに『愛』を感じれば親のしてきた事を許せてしまうものなんだと思う。
それが『他人』ではない『血の繋がり』って事なんだろう。





   俺は母さんの異変に、もう少し早く気付くべきだった


NEXT→18

テーマ : The Sims3    ジャンル : ゲーム

16.買い物

Category: ストーリー > アスモデウスの翼   Tagged: シムズ3ストーリー  
町の大きな広場で開催されているフリーマーケットに足を運んだ3人・・・


27_20130120031133.jpg
「・・・何が必要かね。」
自分で話を進めといてなんだが、急な"住まい"の存在に俺自身何が必要なのかよく判らなかった。



28_20130120031133.jpg
「そうね・・・、取りあえず寝床は必要だよな。お、丁度良さそうなベッド売ってるじゃん。」
中古も中古、錆付いたフレームのお粗末なベッドだったが、いつまでその『シェアハウス』が続くのかも
判らない現状ではこれで充分だろう。


29_20130120031134.jpg
「おっちゃん、そこのベッド幾らよ?・・・ああ買うぜ自宅まで運んでくれんだろ?すぐそこだし。」
「あ~、明日の店仕舞いの後ならいいがね。毎度あり。」



30_20130120031134.jpg
「・・・色んな物を売ってるんですね・・・。みんな使用済みの中古品なんですか?」
「・・・あんたフリマは初めてか?使用済みっつうかリサイクルって思えば湧くかねえだろ?
 新しくないだけで、驚くほど安く手に入るんだぜ何でも。」

こういう所に来たのは初めて。
色んな人が色んな品物の中古品を売り買いしてる・・・。
私は本当に知らない事が多かったのだと改めて感じ、新しい体験の連続に戸惑いつつも楽しんでいた。


31_20130120031134.jpg
「そういや服も持ってきてねえな・・・。取りあえず適当に買ってくか。ジュール手持ちがねえから貸しとけよ。」
「あ~・・・まあいいけど・・・。俺も家戻んないと服ねえや。」



32_20130120031151.jpg
「そういやあんたさ・・・。やけに高そうな身なりしてっけどいつも。なんかあれだよな?
 あんな家に住んでる人とは思えないっつうか・・・実は金持ちだったりする?」

このねえちゃんには何か引っ掛かるものを感じる。あの店の雑用もだし、あんな家に一人で住むような
女には見えねえんだよな・・・。


33_20130120031151.jpg
「・・・っ!いえ・・・お金なんて無い・・・です。服は以前住んでた所から持ってきた物なだけで
 今は身の回りの物を少しずつ揃えるのが精一杯で・・・。」

実家から持ってきた服しか無いけど・・・何かおかしいのかしら?
ちょっと回りの方を見て真似してみた方がいいのかな・・・。

「ふうん・・・ そう。」


34_20130120031152.jpg
「お!なんか面白そうなもん売ってるぜ。」


35_20130120031152.jpg
「おいグレン!ちょっと来いよ~!」

あ・・・可愛い・・・


36_20130120031153.jpg
「素敵なオルゴールですね・・・。音色、聞いてみてもいいですか?」
「ええどうぞ!年代物なんですよ。」

オルゴールの音色にしばし心を癒された。これくらい買ってもいいかな?



37_20130120031208.jpg
「・・・なんだよ。」
「見ろよ、なかなかカッコいいギター売ってるぜ!なんなら俺が買ってやるから弾いてくれよ!」
「あ・・・私もグレンさんのギターまた聴きたいです。」

「またその話かよ・・・・・。」



38_20130120031209.jpg
「俺は・・・ギターはいらねえんだよ。お前ら俺に期待すんな。」


39_20130120031209.jpg
「グレンさん・・・。」
「・・・・・・・・・・・。」

グレンのギターは最高だった。なのにこいつはギターの話に顔を曇らせる。
俺は他人の事なんてどうでも良かった。なのにグレンとグレンのギターだけには何故か執着したくなる。
何故なのか、薄っすら判ってはいる・・・


40_20130120031210.jpg
「そんな事よりよ、粗方見て周ったしちっと一息入れようぜ。」
「あ~、了解。」







41_20130120031210.jpg
「ねえアベル、せっかく来たのに本読んでばっかりって・・・一体何?」
「・・・お前が勝手について来たんだろう。俺は本を買いに来たんだ。本を読んで何が悪い。」





42_20130120031221.jpg
「まぁあれだよな、とりあえず当座必要な物は買えたんじゃねえの?」



43_20130120031221.jpg
「そうだな。着るもんと寝床がありゃあ住むに事欠かねえな。しかしだ・・・足が要る!」
「足・・・?」


44_20130120031222.jpg
「メロは自転車を買ったようだからいい。俺は店までのあの距離をどうにかしなければならない。」
「あ・・・じゃあグレンさんも自転し「ありえねえ!」

「・・・勝手にしなよ」


45_20130120031222.jpg
「!・・・マスター!」


46_20130120031222.jpg
「あら!あんた達こんな所で何してんのよ・・・・・」


47_20130120031233.jpg
「って!グレン!何であんた達がメロと一緒に居るのよっ!まさかあんたアタシの言った事忘れた訳じゃ・・」
「言った事?・・・ああ何か言ってたな。別にマスターが心配するような事は何もしてねえよ。」


49_20130120031234.jpg
「ちょっとメロ!あんたみたいな子がこんな何処の馬の骨か分からないような怪しい奴らと一緒に居ちゃ
 ダメなのよっ!解ってるのっ?!」

「・・・そりゃまたあまりの言いようだな?!」
「俺ら怪しく無いよ?」


50_20130120031234.jpg
「でも・・・昨夜私が危ない目に遭っていた所を助けて下さったんです。お二人が居なかったら私・・・
 どんな事になっていたか・・・」
「そうそう俺らメロを助けてやったんだぜ?それでメロを守る為に『シェアハウス』する事になったってわけ。」

「なっ ・・・なんですって?!」

51_20130120031235.jpg
「っいくら助けてもらったからって・・・こんな危ない奴らと一緒に住むなんてメロ!正気なの?!」
「マスター、幾ら何でもそりゃ言い過ぎだろよ。俺の事昔から知ってんだろ。」
「だから心配なのよっ!バカッ!」

「でも・・・お二人とも悪い方ではないと思います。マスターもグレンさんがそんな方じゃないって
 ご存知でしょう?」
「それは・・・そうだけど・・・」
「それに」


52_20130120031235.jpg
「私もう・・・あの家で一人で暮らすのは・・怖くて無理です・・・。かと言っていく当てもありませんし
 この町で・・・なんとか頑張らないと・・・」

「メロ・・・・・」
この子、確実に何か訳ありね。
どう見ても世間知らずのお嬢さんなのに何故一人でこんな暮らしをしてるのかしら・・・
いずれこの子の話をじっくり聞かなきゃならないわね。


53_20130120031326.jpg
「ほらさ、メロもこう言ってんだからもういいじゃねえか。はっきり言っとくけどさ、俺らメロに何か
 しようなんて全く思ってねえぜ?俺がそう言ったらそれは事実だってマスター分かるだろ?」

「それは・・・そうだけど・・・」
「そうだよ、俺ら悪い事しないぜ?信用してよ。」


54_20130120031326.jpg
「なんかあんたが一番信用できない気がするのよねっ!」
「え?なんで?」





55_20130120031327.jpg
「おいエリス、暗くなってきたからそろそろ帰るぞ。」


56_20130120031327.jpg
何よ。結局アベルの本を探しに来ただけじゃない。・・・デートのつもりだったのに・・・

「・・・アベルのバカ」

57_20130120031328.jpg
「分かったわよ!その代わり、うちまで送ってよね。夜道を女の子一人で歩かせるほど君は非道じゃないよね?」


58_20130120031338.jpg
「・・・まったく、分かった。送るから帰るぞ。 だから着いて来るなと言ったのに・・・。」





59.jpg
「分かったわメロ。確かにこの町であんたのような子が一人で暮らすのはかえって危険かもしれないわね。
 さっきはああ言ったけど、グレンは悪い子じゃないの。あんたがそれを分かってくれてて嬉しいわ。
 でも、もし何かあったらアタシがこいつらただじゃ置かないから安心しなさい?」

「マスター・・・ありがとうございます。」
マスターは本当に私に良くしてくれる。マスターのような人に出会えただけでも、この町に来て良かったと
思えるくらいに。そしてグレンさんの事も大切に思っている事が分かる。だから私も安心できたのだ。


60.jpg
「って事だから、あんたちゃんとメロの事守ってやんなさいよっ!変な気起こしたら・・・」
「分かってるよっ!!!そうだ!マスター、あれどうした?」
「何よあれって?」


61.jpg
「前にいらなくなったバイクくれるって言ってたろ?メロんち店から遠いからまだあるなら貰いてえんだけど」
「バイク・・・?」


62.jpg
「ああ、あれね。丁度今回の改装作業に乗じて廃棄しちゃおうと思ってたわよ。まああんなボロだけど
 乗れる事は乗れるから要るなら持ってっていいわよ!」


63.jpg
「助かる、マスターサンキューな。」
「ふふ。いいのよ。・・・驚いたけど、あんたが根無し草を止めるっていうのはアタシも嬉しいわ。」


この子の父親だった友人のマルクが亡くなってから、陰ながらこの子を見守ってきたけど・・・
誰かと依存し合って心を開くのを見た事はない。
もしかすると・・・メロと居る事でこの子の心の欠片を埋める事ができるかもしれない。
そして何か訳がありそうなメロ自身も。


・・・アタシはこの時そう思ったの。


64.jpg
「とりあえず今夜はまた二階のマットを借りて寝るわ。」

「え?ああ・・・はいすみません。」



こうして、少しずつ私達の生活は動き出した。


NEXT→17

テーマ : The Sims3    ジャンル : ゲーム

15.提案

Category: ストーリー > アスモデウスの翼   Tagged: シムズ3ストーリー  
1_20130120031001.jpg
「それで・・・? 話って何だよ。」

昨夜はこの姉ちゃんを上手く言い包めて宿を得た俺らだけど、グレンはこれ以上何をするつもりなのか。
まあメロにとっても昨夜は俺らが居た事で助かった訳だし、警戒していた俺らも取りあえず『害』は無い事がは
解っただろうけど・・・ね。


2_20130120031002.jpg
「ああ・・・話すけどよ、ちょっとメロには刺激が強いかもしんねえから・・・覚悟して聞けよ?」



3_20130120031003.jpg
「え・・・? は・・・い」
何だろう・・・。私が関係ある話・・・? グレンさんから私に関する話が出るなんてちょっと違和感。
私達、お互いそれ程よく知らないはずだけど・・・


4_20130120031003.jpg
ああ・・・この家の事を話す気か。
普通に考えて、この家の事をメロが知っていて住んでるとは考え難いもんな。
こんなお嬢さんタイプ、好んでこの家に住むようには到底思えない。


5_20130120031004.jpg
「多分あんたこの町に来て間もないから知らねえで住んでるんだろうが・・・この家・・・以前殺人事件が
 あったいわく付きの家なんだぜ・・・。」


6_20130120031019.jpg
「っ・・・ええっ・・・!!?  そんな事・・・一言も聞いて・・・ない・・・で・・・・・」
「やっぱり・・・聞かせれてねぇのか。ひでえ不動産だな。」


7_20130120031019.jpg
「初めは十数年前、血の気の多い若いのが仲間同士で住んでたらしいが何かで揉めて暴力沙汰に。
 結局一人が殺られてあとの連中は逮捕されたってガキの頃に聞いたな。」
「そ・・・そんな・・・!」
そんな事があった家だなんて聞いてない! 一瞬にして背筋に冷たいものが走った・・・


8_20130120031020.jpg
「それだけじゃねえんだよ。」
「えっ!!!?」
「数年前にもあったんだ事件が。昨日のようなストーカーによる犯行。結局殺人事件になった。」


9_20130120031020.jpg
「・・・ジュ・・ジュールさん・・・ほ本当です・・か?」
「ああ。そうだよ。」

昨夜自分の身に起きた事を思い出して、私は更に血の気が引いた。
一歩間違えば自分もそういう事態になっていたかもしれないという恐怖と、そんな家と知らずに暮らしていた事
への戦慄が鬩ぎあってどう反応していいのかさえ分からず頭の中がパニックになる。


10_20130120031021.jpg
「もうここまで言っちまったから全部言うけどな、この家その被害者達のゴーストが出るらし・「やぁ!!!」


11_20130120031037.jpg
「・・・いぜ・・・?」
「や・・・っ!やめてください!お化けとか!!!・・・一番・・・無理です!」

思った通りの反応。俺はあまりに予想通りの彼女の反応に面白くなってしまって笑ってしまった。心の中で。


12_20130120031037.jpg
ゴーストねぇ・・・。 そんな話は初耳だ。調子に乗って何をするつもりなんだよ。
こいつらの茶番を見ているうちに、『もっともっと』と期待している自分に気付く。
グレン、もっと俺を楽しませてくれよ。俺のあんたへの期待はもっとでかいんだぜ?


13_20130120031038.jpg
「ちょ・・・っと待ってください。この家はそういういわく付きの家だから・・・お家賃が格安で・・・
 ゴーストまで出るなんて聞いたら・・・とてもこのまま住むなんて・・・」


14_20130120031039.jpg
「でも・・・ここ以外に私の収入で新たに借りられる家なんて・・・でも・・・でも・・・どうしたら・・
 お化けと同居・・・いやだ・・・ストーカー・・・殺人・・・」

相当パニックになってるね、メロちゃん。


15_20130120031039.jpg
「・・・・・・」
流石に・・・良心が『チクリ』とはした。
だかもう始めちまったもんはしょうがねえ。このまま話を進めさせてもらう。


16_20130120031049.jpg
「それなら・・・俺に考えが無くもないんだが、聞くか?」
「え?!何か打開策があるんですか!」


17_20130120031049.jpg
「まあ聞けよ。確かにこの家は殺人事件があったから気味が悪いってのは解る。だがそんな事言ってられねえ
 現状だろう?マジでこの町の物価は高けえし引越しは金が掛かる。
 不動産にその辺の不備を訴えたところで多少の優遇処置はあるにせよ結局いい家に住み続けるには金が掛かる。」
「それは・・・そうですが・・・」


18_20130120031050.jpg
「一番いいのは、この格安物件で恐怖を感じずに住み続ける事ができる事だと思うわけだ。」
「そんな・・・だって昨日の出来事もあるし、怖くて住むなんてもうとても・・・」
「だから!・・・一人で居るから怖いって話だ。」

「・・・・・・・はい?」


19_20130120031050.jpg
「考えたんだかよ、昨夜みたいに『俺ら』が居たらあんたを守れるだろう? ゴーストだって出てこねえんじゃね?
 あんたさえ良ければ暫く居てやってもいいかなって・・・思うわけだが?」
「えっ!でも・・・・・それは・・・それは流石に・・・でも・・・」
「難しく考えんなよ。単に夕べと同じ状況って事だよ。何も害は無かっただろ?俺ら。」


なるほど。グレンはそれが狙いだった訳か。
とんだ茶番を演じてやがる。確かに俺も一緒じゃないと彼女の警戒心を解くことはできないね。
しかし何で俺に断り無く人を巻き込むのか。全く勝手な奴だ。
だけど・・・・・面白そうだな。


20_20130120031050.jpg
「メロ!グレンの言う事はあながち間違ってないよ!他に行くとこ無いならいい案だと思うよ?
 俺ら知り合ったばかりだけど、変な奴じゃないって判っただろ?俺も協力するぜ!」

なんてね。


21_20130120031106.jpg
「あんた知らないかもしれないけど、こういうのは『シェアハウス』っていってこの町ではみんな普通に
 やってる事なんだぜ?男女問わず家を共有して個々の負担を軽くする。そうでもしねえとこの町では
 易々と暮らせねえんだって!あんたには個室もあるから問題ねえじゃん!何よりあんたの為だよメロ!」

自分で言っててむず痒くなっちまう。『あんたの為』って・・・何だ?


22_20130120031106.jpg
それでも彼女のこんな顔を見ていたら、心が『チク』っと疼いたけどね。こんな感情は・・・久しぶり。
けどそれもほんの一瞬。

「そうなんですか・・・。私、あまり世の中の事知らないので・・・何が普通なのかよく判らなくて・・・。
 でも『シェアハウス』。そういうやり方もあるんですね。だったら・・・いいかもしれません。」

ほらね? グレンは慣れているようで詰めが甘いから任せておけないと思ったんだ。


23_20130120031107.jpg
「お二人ともいい方ですね。私本当に助かりました。殺人のあった家なんて、とてもじゃないけど住めないって
 思ったけど、一人じゃないなら我慢できるかもです。・・・私、本当に行く所・・・無いので・・・。」

「いや・・・まあ・・ね。どうせ暇だったし。」
「あ~・・・まあそういう事だ。」


本当は、この町の事が怖くなって逃げ出したくなっていたの。何処かへ。
でも私には行く所も戻る所も無い。
過去に戻る怖さよりもここでゴーストの恐怖に対峙していた方が私にとっては遥かに楽だと思うから。
『シェアハウス』の提案には正直驚いたけど、この二人は直感で嫌いじゃない。だから受け入れた。



この町へ来てから、もし自分の身に何かあっても・・・



それは私が犯した罪への『罰』なのだと覚悟している、いや諦めている自分がいる。



だから・・・何事も流れに身を任せて行こうって始めに決めた。
それが私の『贖罪』だから。



24_20130120031107.jpg
「じゃあま、そういう事でよろしく。そういや今日は月一のフリマがあるんだったな。ここで暮らすなら
 俺らも物入りだし行ってみるか。」
「そうですね。私も今日は買い物しようと思っていたので。」








26_20130120031108.jpg
こうして私達は近くの広場で開催されているフリーマーケットへと足を運んだ。


NEXT→16

テーマ : The Sims3    ジャンル : ゲーム

14.朝まで

Category: ストーリー > アスモデウスの翼   Tagged: シムズ3ストーリー  
1_20130110013527.jpg
「じゃ・・お邪魔するぜ?」
「ええ・・・どうぞ。」


2_20130110013527.jpg
(ふぅん・・・こんな家でも生活してんだな・・・)


3_20130110013528.jpg
(あのねえちゃんはこの家の事件の事知ってんのかね・・・?)



4_20130110013528.jpg
「お茶を・・・どうぞ。」
「あ、悪りいねこんな時間に。サンキュ。」


5_20130110013529.jpg
「しっかし・・・あんたには似つかわしくない家だな?広いは広いがよ・・・」
「あんたって・・・、このおねえちゃん名前何つうの?」


6_20130110013542.jpg
「あ、メロといいます。メロ・リンガーソンです。」


7_20130110013543.jpg
「そういやそんな名をマスターが呼んでたな。知ってるみたいだが俺はグレン、こいつはジュールだ。」
「そ。よろしくね?メロちゃん。」
「はい。よろしくです。」


8_20130110013543.jpg
「ところでなんだが、俺達朝までここに居てやろうと思うんだが・・・どうだ?」


9_20130110013544.jpg
「え!?・・・朝までですか・・・?」

危ない所を助けてもらったし、グレンさんとは多少面識はあるものの、よく知らない男性を朝まで
家にというのは・・・流石に常識的におかしいのではないだろうか。


10_20130110013544.jpg
「・・・でも・・・それは・・・ちょっと・・・」

(まぁそれが正しい反応だよな。)

11_20130110013555.jpg
「別によ、無理にとは言わねえけどさ・・。気を付けた方がいいと思うぜ?」
「え・・・?」


12_20130110013555.jpg
「さっきの変態野郎。まだこの辺に潜んでて、あんたの事狙ってるかもしんねえぜ?」

(いや、あれだけやれば暫く近付きはしないだろうけど・・・。グレンは何を考えてる?)


13_20130110013556.jpg
「そんな・・・!でも・・・あなた方の事も・・よく知らないし・・・」

(そりゃそうだけど・・・・・・・これは・・・・・・・)

14_20130110013556.jpg
「メロちゃんさぁ、この辺マジで危ないんだぜ?ストーカー殺人なんてざらだしね?」
「えっ!!!」


15_20130110013557.jpg
「脅かす訳じゃないけどさ、さっき俺らが『偶然』通りかからなかったら、あんた犯やれて殺られてたかもよ?」


16_20130110013620.jpg
「そ、そんな・・・!そんな恐ろしい事っ・・・・・」


17_20130110013621.jpg
「だってなぁ?・・・この家だって・・・・・」
「あぁ・・・まあそれはともかく。」


18_20130110013621.jpg
「このねえちゃ・・メロがいいって言うならまあ俺らは帰った方がいいかもしれないな?ジュール。」
「・・・・・ふうん、まあね・・・。」
(何処へ帰るっていうのかね。この兄さんは。)


19_20130110013622.jpg
「えぇ!?そんな・・・そんな恐ろしい話を聞いたら私、怖くて・・・!」
このまま一人で朝を待つなんて・・・怖い!


20_20130110013622.jpg
「もしかして、俺らの事男として警戒してる?俺らそんな女に飢えてるように見えるかね?」
「・・・・・悪いがあんたに興味はね「俺ら紳士よ?そういう心配なら必要無いよ?

(紳士・・・どの口がそんな事を言うのかね)

21_20130110013633.jpg
「・・・・・すみません。判りました。確かにこのままでは朝まで怖くてどうしようもないので
 お願いできますか?居て下さい。」
グレンさんは同じお店の従業員だし、ジュールさんもグレンさんのお友達なら・・・信用できるよね?
それよりさっきの変質者がもし戻ってきたら・・・その方が怖い!


22_20130110013633.jpg
「そういえば・・・さっき私に話があるって・・・この事でしたか?」
「ん・・・?」


23_20130110013634.jpg
「ああ、さっきのな。まぁそれは・・・朝になってからゆっくり話すぜ。」
「は・・・あ・・・?」


24_20130110013634.jpg
「まあよ、今日は色々あってあんたも疲れただろう?ゆっくり休めよ。」
「はい・・・。ありがとうございます・・・。」
グレンさんの言ってた話って、なんだろう・・・?



25_20130110013635.jpg
それにしてもさっきの出来事を思い出すと本当に恐ろしい!
お二人が通り掛からなかったら一体どうなっていたのかしら・・・。
ジュールさんの言うように殺されたり!?この町はそんなに恐ろしい町だったなんて・・・


26_20130110013645.jpg
「それでは私は・・・休ませて頂きますけど、お二人はそこで?」

「おう、気にしなくていいぜ。」
「では・・・」


27_20130110013646.jpg
(なんだか申し訳ないけど・・・いいのかしら・・・?)








28_20130110013646.jpg
「・・・・・。」


29_20130110013647.jpg
「で?グレン何考えてんだよ。」
「あ~・・・?」


30_20130110013647.jpg
「まあよ、取りあえず朝までの居場所が見つかって良かったなって話だ。」
「それだけかよ。」
(なんだよ、せっかく面白そうな展開だから乗ってやったのに。宿確保かよ。)




31_20130110013713.jpg
(信用してない訳じゃないけど、寝室の鍵は掛けておこう・・・。)
今夜の出来事から、私はもう少しちゃんと考えて行動しなければと改めて思った。
この町は私の居た故郷とは違う。


32_20130110013714.jpg
でも・・・落ち着かない・・・。
階下にグレンさん達が居る。それにさっきのストーカーの事を思い出すと怖くて・・・・・


33_20130110013714.jpg
私みたいな世間知らずが、一人で暮らしていけるような町じゃなかったのかな・・・・・








34_20130110013715.jpg
「グレンさぁ。何か考えてんだろ?ただの宿探しならつまんねえから俺帰るぜ?」



35_20130110013715.jpg
「別に・・・帰ってもいいけどよ。いや、それじゃあ困るか?」



36_20130110013726.jpg
「だから~!俺が帰ったら困るって何だよそれ?何企んでんだよ、教えろよ。」



37_20130110013727.jpg
「明日でいいじゃねえか。俺はお前と違って労働して疲れてんだよ。ちっと寝るわ。」



38_20130110013727.jpg
何だよまったく。
でもさ、何か面白そうだと期待していいのかね?

グレン。
俺あんたに期待してるんだぜ?
俺の満たされない心に入ってきたあんたのギター。
あんたと居ると、俺の求めてる何かに辿り着けるんじゃないかって・・・。




39_20130110013727.jpg
「ま・・・二人とも寝ちゃったし、おうち探検といきますかね。」
酒も抜けたし、夜型の俺はまだ眠くない。


40_20130110013728.jpg
「は・・・。何もねえじゃん。」
広いだけの廃屋みたいだなこの家。
メロの部屋はちゃんと鍵付きのドアかい。
安心しなよ。多分俺らマジでそういうの興味無い野郎達だから。


41_20130110013739.jpg
グレンが何を話すのか判んないけど、とりあえず俺も寝とくかね・・・
一人じゃする事ねえし。












42_20130110013739.jpg
「・・・・・う・・ん・・・朝・・・・・?」



43_20130110013739.jpg
気がついたら寝ちゃってた。
「グレンさんとジュールさんは・・・どうしたのかしら・・・」

無事朝を迎えられてほっとした。
ストーカーは戻ってはこなかったという事か。


44_20130110013740.jpg
「おはようメロ。眠れた?」
「っ!・・・ジュールさん・・・」

部屋の外にジュールさんが居て驚いてしまった。いつ二階へ来たのかしら・・・


45_20130110013740.jpg
「そんな驚かないでよ。二階にマットレスがあったから借りただけ。良かったね、眠れたようで。」
「ごめんなさい、ちょっとビックリしちゃって。ありがとうございます。」

ジュールさんは明るくていい人そうだわ。話やすそうだし。



46_20130110013750.jpg
「あれ、グレン起きてたの?」
「お・・おはようございますグレンさん。」


47_20130110013750.jpg
「・・・なんでジュールが二階から降りてくる?」

このアホが。余計な事はしてないだろうな。


48_20130110013750.jpg
「あんたが長ソファ占領しちゃったんだろ?二階にマットがあったからそこで寝たんだよ。」

何を考えてるグレン?早く話せよ。


49_20130110013751.jpg
「・・・お前らに・・・話があるんだ。」



50_20130110013751.jpg
「何だよ。」
おいでなすった。


51_20130110013759.jpg
「はい・・・。何でしょうか・・・?」

グレンさんの話が何なのか。夕べからずっと気になっていた。
そしてこの話から、私のこの町での生活が大きく変わっていくのだった・・・・・

NEXT→15

テーマ : The Sims3    ジャンル : ゲーム

13.偶然(必然)

Category: ストーリー > アスモデウスの翼   Tagged: シムズ3ストーリー  
1_20130101203614.jpg
その晩の俺とジュールは、それ以上のお互いの詳細な生活環境などを語る訳でもなく、
取り留めの無い話を駄弁るに留まってはいたが何故か会話は心地良く、気付けば酒を何杯も空けていた。





2_20130101203615.jpg
「はぁ~、ひっさびさに飲んだぜ。もう俺ねみぃよ・・・」
「・・・色々混ぜて飲むからそうなる。ちっとは飲み方考えろよ。」

そうは言ったものの、酒の飲み方一つにしても、こいつのこういう自分に正直な所に
今夜の俺は心地良ささえ覚えていたのだった。

・・・”自分に無い物”には人間惹かれるものなのか


3_20130101203615.jpg
「おい・・・。そろそろ閉店だとよ。起きろジュール。」
「あ~・・・ん。・・・」


4_20130101203616.jpg
「起きないなら置いてくぞ。」
「・・・あ~~~~・・解ったってぇ・・・」



5_20130101203616.jpg
「・・・や~、ちょっと飲み過ぎたな。参った参った・・・」
「お前・・・よくあれだけ飲めたな?すげえよ。流石の俺でも着いて行けねえわ。」


6_20130101203631.jpg
「・・・まね。今日は楽しくってさ。で・・・どうするよこの後?もう何処も店やってねえよな?」
「まだ飲む気か・・・?」


7_20130101203631.jpg
「あ・・・、あんたんちで飲み直すとか?・・・どうよ?」
「俺の・・・家か?」


8_20130101203632.jpg
「俺の家は無い。」
「・・・・・。 ・・・はっ? 家が・・・無い?」


9_20130101203632.jpg
「家が無いとか・・・マジで? あんた何処で寝泊りしてんの?!」
「・・・店とか・・・・・泊めてくれる女の家とか・・・・・・・・・・・」


10_20130101203633.jpg
「へっ・・・!これだからジゴロは・・・ ったく使えねぇなぁーーー!!!」
「ジゴロじゃねえっつってんだろ!お前の家はどうだよ? 一晩泊めろよ。」


11_20130101203645.jpg
「俺んち・・・・・? 別に構わないけどさぁ・・・。
 高確率で母親が男連れ込んでるかもしんねえけど・・・いい? 壁薄いぜ?」

「そういうのは・・・ごめんだな。」


12_20130101203646.jpg
「じゃあど~すんだよ~~~! 俺もうダメ。疲れた眠い。その辺で寝ちゃうぜ?」
「ガキかよ・・・。その辺で寝たら朝方凍るぞ。」

既にお互い何も考えずに飲みに連れ立った事を後悔してきていた。


13_20130101203646.jpg
「・・・じゃあさ、二人でホテルでも行く?暖かいし寝れるぜ?」
「・・・・・ホテル・・・だ?」

さっき聞いたこいつの『仕事』が頭を過ぎった。ホテル=こいつの仕事場・・・か?


14_20130101203647.jpg
「・・・俺は金は無いぞ。あっても出さねえし。」
「金なんか取る気はねえよ。」
「ホテルってのはお前の仕事場か・・・?」
「まあそうとも言う。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




15_20130101203647.jpg
「ふざけんな!なんで俺がお前とホテルなんざ行かなきゃなんねえんだよ!
 男と二人でホテル行くくらいならその辺で寝るっつうの!」


「はぁ?!何下衆な想像してんだよ!こっちだって仕事でもねえのに好き好んで男と寝るかよボケっ! 
 アホかっ!!!」

「???・・・仕事・・・でも?!???????」


16_20130101203701.jpg
「・・・・・アホな事言ってないでさぁ~・・・マジでどうすんの?あんた女のとこでも行けば?
 俺も適当に行くとこ見つけるからさぁ・・・。それとも女の所一緒に行こうか?俺、役に立つかもよ?」

こいつの言う事は、所々イカレてる。


17_20130101203702.jpg
「ちょっと待て。店はもう閉まって数日開かねえし・・・。今から行くとしても・・・面倒な所は・・・」



18_20130101203702.jpg
「お!近くに知り合いのうちがあったぞ。ダメ元で行ってみるか。」



19_20130101203703.jpg
「・・・そこはさぁ、こんな時間に行っても失礼じゃない所なのか? 嫌だぜ?無駄足は。」

そして所々正論を吐きやがる。おかしな奴だよマジで。


20_20130101203703.jpg
「ここで言い合ってたってしょうがねぇだろ。すぐそこだから行くだけ行ってみようぜ。」
「・・・マジか・・・。 もう帰ろうかな~俺ぇ~・・・」






21_20130101203716.jpg
「あそこだ。」


22_20130101203717.jpg
「マジで?! ・・・ここ・・・かよ。」


23_20130101203717.jpg
「ここの住人って・・・どんな奴だよ・・・。」


26_20130101203731.jpg
「ここって例の事件があった家だろ・・・?」
「ああ・・・そうだな。」


24_20130101203718.jpg
「・・・気味悪りいな・・・。こんなとこに住んでるのは・・・どんな野郎だよ。」
「・・・女だ。 ほら、うちの店の雑用係・・・・・」


25_20130101203718.jpg
「・・・! あんたあんな女にも手ぇ出してんのか?!」
「いや・・・俺はああいう女には興味な・・・「ああ、ジゴロだもんな!」
「違うっ!」


27_20130101203732.jpg
「・・・まあさ。どうでもいいけど何か面白い事になってるぜ?」
「・・・あ?」




28_20130101203732.jpg
「きゃぁ~~~!やめてぇ~~~~~!!!」
「諦めなよメロ!叫んだってこんな場所に誰も来ないからぁあ~」


「な?面白い事になってるだろ?」
「・・・面白いと言うか・・・面倒・・・だな。」


29_20130101203733.jpg
「どうするよ?泊めてもらうなら何とかしなきゃなんねえよ?」
「・・・ふむ。・・・面倒だな。」


30_20130101203733.jpg
「・・・・・あ???」


31_20130101203744.jpg
「何だよお前ら!何見てんだよぉ!どっか行き去らせっ!!!」

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」


32_20130101203744.jpg
「僕たちはぁ、ラブシーンしてるのぉ!見世物じゃないぞっ!さっさと立ち去れぇっ!やっちまうぞ!」
「・・・・・・・・・」


33_20130101203745.jpg
「お前はさぁ・・・・・俺にその汚ねえ指を向けてるって事はさぁ・・・
 それなりの覚悟があるって事で・・・・・いいんだよな? な?!」

「え・・・・・。 え?」


34_20130101203745.jpg
「おねーちゃん大丈夫?」
「え・・あ、はい・・・・・」



「ぶぎゃっっ!!!」


35_20130101203745.jpg
「ぶがががががwwwww は、はなちてぇ~・・・

「やんだろ?いいぜ、相手になってやるよ。ほら、掛かってきな?」


38_20130101203757.jpg
「グレン君!それでは掛かっていけませんよ!降ろしてあげてっ!」
「・・・ああ、そうか。」

「ぶぎゃっ!!!」


36_20130101203756.jpg
「ほら、降ろしてやったぜ?掛かって来いよ。ああ?」
「・・・・・。っ・・・・・・・・・・・・・。」


37_20130101203756.jpg
「掛かってこねえならこっちから行くぜ!おりゃっ!!!」

ガゴンッ
「うぐっ!!!!!」

「うっわ・・・エグイなぁ~・・・グレン君!」


39_20130101203757.jpg
「くっ・・・くそぅ!何なんだよお前らっ!人の恋路を邪魔しやがって!今日の所はこれで・・・・・」
ダッ!


40_20130101203758.jpg
ガッ

「?????!」


41_20130101203807.jpg
「あぎゃっ!!!」


42_20130101203808.jpg
「ぶぎゅ~~~~~~www」

「なぁにやってんのぉ?」
「アホだな。」


43_20130101203808.jpg
「ち、ちくしょーーー!!!覚えてやがれっっ!!!」


44_20130101203808.jpg
(・・・あ・・・え・・・・・・ た、助かっ・・・た・・・)


45_20130101203809.jpg
「『覚えてやがれ』」だってさ。覚えておいてあげて?」
「ふざけんな! ちっ・・・ついカッとなっちまったぜ変態ヤローめ・・・」

「あ・・・あの・・・」


46_20130101203818.jpg
「お陰・・・お陰様で助かりました。危ない所を助けて頂いて・・・グレンさん。ありがとうございました!」
「・・・ああ・・・まあ良かったな。」


47_20130101203819.jpg
「・・・でも何でこんな時間にグレンさん達がここに・・・・・?」

「あ・・・まあ・・・たまたまだ。たまたま。」
「そ、たまたま。」

「え、ああ・・・そうです・・・か。」


48_20130101203819.jpg
「ところでさぁ! おねーちゃん俺判る?あんたの店の常連さん。怪しい者じゃあないよ?」
「え・・・ああはい。お見かけした事がありますね!」


49_20130101203820.jpg
「グレンさんのお友達だったんですね。 あなたも・・・ありがとうございました!
 お陰様で助かりました!」
「うん、いいよ。それよりちょとお茶でももらえないかな?喉渇いちゃった。」
「ええ、勿論どうぞ上がって下さい。」


50_20130101203820.jpg
(そういう所がダメなんだよあんたは・・・)

「・・・・・? グレンさんもどうぞ?」
「・・・ああ、サンキュー。ちょっとあんたに話もある。」

「話・・・ですか?・・・・・」

NEXT→14

テーマ : The Sims3    ジャンル : ゲーム

12.深夜

Category: ストーリー > アスモデウスの翼   Tagged: シムズ3ストーリー  
1_20121228024910.jpg
「この店でいいだろう?」
「ん・・ああ、何処でもいいよ。」

町中心部の深夜営業の店は柄の悪い奴らが入り浸る事も多く、面倒に巻き込まれる事も少なくないので
今回は少し離れた落ち着いた店まで足を伸ばした。


2_20121228024911.jpg
「駆けつけ三杯ってね・・・」

男同士で飲むのも久しぶりだな・・・


3_20121228024912.jpg
「お前さ・・・うちの店でもそんなんばっか飲んでっけど、甘くねぇのかよ。」
「あ~・・・?」


4_20121228024912.jpg
「何、あんたは甘い酒はダメなの?」
「俺は・・・苦手だね。何で酒が甘くなきゃなんねぇんだよ。」


5_20121228024913.jpg
「俺は飲めりゃ何でもいいけど。まあ・・・あんたはそんなだと思ったけどね。」



6_20121228024934.jpg
「なんだよ・・・そんなっつうのはよ。」



7_20121228024935.jpg
「酒はドライだろ。ヘビースモーカーで態度はクール。好きな音楽はロック。女には不自由してない。」
「・・・・・おい」
「更に言うならあんた他人には踏み込ませない絶対領域を持っていて、自分を曝け出すのが嫌なんだ。
 自分の事に係わるなオーラが出てんだよ。」


8_20121228024936.jpg
「・・・お前・・占い師かよ。」
「あれ?図星だった?今のはあくまで表面的なイメージなんだけどね。はは・・・」

なんだよこいつ。俺ってそんなに判りやすいやつなのかと思うと腹が立つ。


9_20121228024936.jpg
「・・・ま、そんなもんかもな。別に否定したい部分がある訳でなし・・・」

言われてみれば俺なんてそんなもんかもな。
自分を曝け出すのが嫌だとか意識してる訳ではないが、”絶対領域”・・・か・・・。


10_20121228024937.jpg
「俺の事はそれでいいとしてジュール、お前はどうなんだよ!お前の事何にも知らねえぞ。
 お前、仕事とか何してんだよ。お前も『俺には係わるな』系か?」


11_20121228024952.jpg
「俺?・・・俺は別に・・・構わないよ。興味があるならね・・・」


12_20121228024953.jpg
「俺はまあ気楽な暮らししてるよ。『仕事』は『販売系』とでもいうのかねぇ・・・」


13_20121228024953.jpg
「販売・・・?何を売ってんだよ。・・・ヤバいブツでも扱ってんのか?」

こいつの雰囲気から、『普通じゃない』であろう事は察しがついた。


14_20121228024954.jpg
「『俺』だよ。商品は俺自身。俺を欲しい奴に俺を売ってやってんの。」



15_20121228024954.jpg
「男娼・・・。」



16_20121228025012.jpg
「何?やっぱそういうの聞いちゃったら抵抗ある?この町じゃたいして珍しくも無いだろ。」



17_20121228025013.jpg
「別に。 いいんじゃねえの?何を使って稼ごうが金は金だ。ある意味すげえと思うぜ。
 ”身を粉にして働く”。正にそういうこったろうよ・・・。」
 
俺は”身を粉にして働く”を選ばなかった部類だが、こいつのしている事を否定するつもりはない。


18_20121228025013.jpg
「”身を粉にして働く”?・・・そんなつもりは無い・・・けどな。」

なんだよその反応は。こいつはやっぱり『何か違う』と俺はその時思った。


19_20121228025014.jpg
「俺は欲しい物を手に入れる為に、使える物を最大限に使うってだけだよ。さっきは仕事なんて言ったけど、
 仕事じゃねえよ。欲しい物を手に入れる為の手段だよ。・・・俺は、欲しい物は絶対手に入れるんだ!」

男娼なのを変に肯定されて俺はむきになったのか、普段はこんな事を他人に言ったりしないのに
つい熱くなってしまった。
こいつはやっぱりどこか・・・変だ。


20_20121228025014.jpg
「・・・・・俺も似たようなもんだよ・・・。」

根底は似たような部分も感じながら、俺なんかより自分に正直で、それでいて危うい部分を持ち合わせていそうな
ジュールに、俺は不思議な親近感とある種の興味と畏怖の念をも感じていた。


21_20121228025028.jpg
「あんたも体売ってんの?」
「いや、俺はただ泊まる所を・・・・・・・・
「なんだ、あんたジゴロかよ。」
「はぁ?!そうじゃねえだろ俺は・・・・・・・








22_20121228025029.jpg



23_20121228025030.jpg







24_20121228025030.jpg
「たたいま・・・」

まだ慣れないこの家に帰ると、誰も居ないけどつい声を出して怖さを払いのけようとしてしまう。


25_20121228025030.jpg
「う・・・ん。どうしようかな・・・。」


26_20121228025048.jpg
明日からのお休み。やっと少し使えるお金も溜まってきたし、もう少し快適に暮らせるように
色々買い揃えたいな・・・。

「それ位の散財・・・いいよね?」

グレンさんにタクシー通勤の事を言われてから、自分の金銭感覚のおかしさに少しは気を付ける様には
しているんだけど・・・どうにも自信が無い。


27_20121228025049.jpg
「これも・・・・・どうにかしたいしなぁ~・・・」



28_20121228025050.jpg
「ここも・・・・・」


29_20121228025050.jpg
「もう少しどうにかしたいなぁ・・・」

贅沢は言わないけれど、もう少し・・・。でもこれが当たり前なのかな?
こう考えてると、自分が実家でどんなに恵まれた環境で暮らしていたのか身にしみる。

・・・・・今の私には戻る事はできないけれど・・・。


30_20121228025050.jpg
「あ!明日の朝食も昼食も何も材料の買い置きが無かったわ・・・。どうしようかな・・・。」

こんな時間に外に出るのは気が引けるけど、歩いてすぐの所にある深夜営業のストアが在ったのを思い出す。
あそこなら徒歩で5分だし、行ってこようか。



31_20121228025107.jpg
「この辺は・・・治安もいいって話だから・・・大丈夫よね。」



32_20121228025107.jpg
「今夜は・・・星が沢山。」


33_20121228025108.jpg
この星空は故郷の空と繋がっている・・・・・
一人の時に見る空や海からは、どうしても故郷の事を思い出させられる。

私の『置いてきた過去』は今一体どうしているのか・・・。
立ち止まらない為に考えないようにしているけれど、それもいつまで続けられるのか。
今の私には判らない・・・・・





34_20121228025109.jpg
「良かった・・・何もなくて・・・。ちょっと怖かったから・・・」

「お嬢さん。」


35_20121228025109.jpg
「?・・・え・・・・・」

突然声を掛けられて、胸が早鐘を打った。
こんな時間に自宅前で声を掛ける人物なんて・・・・・普通じゃない!


36_20121228025124.jpg
「ああっ!やっとあなたとお話ができた!ずっと・・・あなたとこうして話がしたかった!!!」

「え・・・あ、あの・・・」

どうしよう!

37_20121228025124.jpg
「僕の事をもっと知ってもらいたい!知りたいでしょう?!どうぞ中に入れて下さいよ!
 あなたの事は良く知っています!どれ程あなたとこうしてお会いしたかったか!」

「や、・・・あのごめんなさい!こんな時間ですし・・・お引取りください・・・」


38_20121228025125.jpg
「え?!そんな事言わないでよ!僕のあなたへの想いを解って欲しいよ!メロさん!」

どうしよう!どうしよう!
この人絶対普通じゃない!何で名前まで知ってるの?!


39_20121228025125.jpg
「・・・突然で驚かれたでしょう・・・けど、僕はずっとあなたを見ていた。でももう見ているだけでは
 苦しいんだ!もっとあなたを知りたい!僕の事も知ってもらいたい!」
「・・・お帰り下さい。」

いけない・・・!このままこうして話していてはいけない!
怖い!!!でもどうすればいいの?!


40_20121228025126.jpg
「何故そんなつれない事を・・・。僕の想いを受け入れて・・・!」
「きゃ!何するんですか!!!やめて~~~~~!」


41_20121228025139.jpg
「メロさんは僕と結ばれる運命なんだよ!さあ僕の熱い想いを受け入れて!」

「きゃああああ!」


43_20121228025141.jpg
「・・・そんなに・・照れなくてもいいじゃないか。そんなところも可愛い人だな・・・。」

「や!・・・来ないで!!!」


42_20121228025140.jpg
「愛してるんだメロ!!!この想いを君に今解らせてあげるよ!!!」

「いや~~~!!!やめて~~~~~~~!!!!!」

NEXT→13

テーマ : The Sims3    ジャンル : ゲーム

« »

01 2000
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
カテゴリ
キャラ投票(ストーリー)
Welcome

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。